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[VWS2-5]The usefulness of robot surgery and the development of surgical fields in cases of obesity

Hiroki Katayama, 富永 哲郎, 野中 隆, 高村 祐磨, 大石 海道, 白石 斗士雄, 橋本 慎太郎, 山下 真理子 (Department of Surgical Oncology, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Science)
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近年、本邦においても肥満患者に対する手術が増加している。ロボット手術において安定した視野確保は安全な手術遂行に重要である。われわれは、肥満患者に対するロボット手術の工夫として①ガーゼを用いた展開で組織挫滅を予防している。また、②積極的にHybrid surgeryを取り入れている。2本の助手ポートを用いて安定した小腸排除や術野展開が可能となる。また、厚い腸間膜の処理などに適切なデバイスを選択することで可能な限りdryな視野で手術ができるように心がけている。われわれが行っている肥満患者に対するHybrid surgeryについてビデオで供覧し、長崎県下多施設における肥満患者に対する直腸癌手術の成績について検討を行った。
2016年4月から2024年12月までに長崎大学および関連7施設で直腸癌手術を施行した1145例のうち肥満症例(Body mass index 25kg/m2以上)の患者は353例であった。このうちロボット手術(R群、n=75)、腹腔鏡手術(L群、n=262)、開腹手術(O群、n=15)に分類し背景因子、術後合併症について比較検討した。
3群間で年齢、性別、併存疾患、術前治療、cT/N/Mに差は認めなかった。O群においてPS不良例(R群 vs L群 vs O群;5.3% vs 8.4% vs 33.3%, p=0.002)が多く、術後合併症が多かった(9.3% vs 18.7% vs 40.0%, p=0.011)。術後合併症に対する多変量解析では開腹手術(Odds ratio;6.888, 95%CI; 1.846-15.704, p=0.004)、腹腔鏡手術(Odds ratio2.197; 95%CI 1.941-5.162, p=0.048)、術前治療(Odds ratio2.516; 95%CI 1.284-4.930, p=0.007)が独立した予測因子であった。
肥満直腸癌患者に対するロボット手術は、合併症が少なく安定した手術が可能である。