Presentation Information
[VWS2-6]Outcome of robotic-assisted surgery for obese male patients with rectal cancer
Kanechika Den1, 大矢 浩貴1, 小金井 雄太1, 紫葉 裕介2, 田中 宗伸1, 船津屋 拓人1, 大坊 侑4, 酒井 淳1, 工藤 孝迪2, 鳥谷 健一郎3, 藤原 淑恵1, 前橋 学2, 森 康一2, 諏訪 雄亮2, 小澤 真由美2, 諏訪 宏和4, 渡邉 純2,5, 遠藤 格1 (1.Yokohama City University, Department of Gastrointestinal Surgery, 2.横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科, 3.横浜市立大学附属市民総合医療センター炎症性腸疾患センター, 4.横須賀共済病院外科, 5.関西医科大学下部消化管外科学講座)
【背景】直腸癌手術において男性は縫合不全のリスク因子の一つされ,肥満も手術難度を上げるとされるが,肥満を伴う直腸癌症例に対するロボット支援下手術の有用性は明らかでない.【目的】男性肥満直腸癌に対するロボット支援下手術の短期・中期成績を比較検討し有用性を検討する.
【方法】2008年1月から2024年12月にロボット支援下,または腹腔鏡下手術を施行したpStageI-IIIのRaRbP直腸癌症例でVFA≧100cm2の肥満男性症例321例を対象に,腹腔鏡下手術群(Lap群)とロボット手術群(Ro群)の臨床病理学的因子と予後を比較検討した.
【結果】Lap群217例,Ro群103例であった.患者背景では年齢,BMI,腫瘍マーカー値,VFA,ASA-PS,糖尿病の既往,術前治療に差はなく,心疾患はLap群vs. Ro群の順に29例(13%) vs. 4例(3.8%)とLap群で有意に多かった.手術時間は274分(134-623) vs. 301分(155-662)(p=0.113)と差はなく,出血量は38g(0-1472) vs.15g(0-602)(p=0.040)とRo群で有意に少なかった.術中因子では吻合,神経合併切除,側方郭清の有無,開腹移行は差を認めず,側方リンパ節郭清は27%(59例) vs. 18%(19例)(p=0.245)とややLap群に多い傾向であった.Clavien-Dindo分類GradeII以上の合併症は37% vs. 21%(p=0.004)とRo群で少なかった. 術後SSIの発生に差はなく縫合不全は4%(8例) vs. 0%(0例)(p=0.048), 自己導尿率は8%(17例) vs. 1%(1例)(p=0.013)とRo群で有意に良い結果で,術後在院日数は14日(5-137) vs. 13日(5-43)(p=0.004)とRo群で有意に短かった.病理学的因子ではT,N因子,肛門側断端距離20mm(3-160) vs. 20mm(1-148mm)(p=0.226) に差はなかったが,郭清リンパ節個数は19個(12-28) vs. 16個(12-23)(p=0.002)とLap群で有意に多かった.RM陽性率は3.2%(7例)vs. 2.9%(3例)(p=0.880)と差はなかった.観察期間中央値53か月(Lap群: 55,Ro群: 43)で,3年RFS は78.7% vs. 71.4%(p=0.189), 3年OSは91.2% vs. 91.9%(p=0.168),3年局所無再発期間においても93.2% vs. 93.3%(p=0964)と差はなかった.
【結語】男性肥満直腸癌に対するロボット支援下手術は周術期合併症がLap群に比較して少なく,安全に行われていた.中期予後に差は無く,根治性も担保されていると考える.
【方法】2008年1月から2024年12月にロボット支援下,または腹腔鏡下手術を施行したpStageI-IIIのRaRbP直腸癌症例でVFA≧100cm2の肥満男性症例321例を対象に,腹腔鏡下手術群(Lap群)とロボット手術群(Ro群)の臨床病理学的因子と予後を比較検討した.
【結果】Lap群217例,Ro群103例であった.患者背景では年齢,BMI,腫瘍マーカー値,VFA,ASA-PS,糖尿病の既往,術前治療に差はなく,心疾患はLap群vs. Ro群の順に29例(13%) vs. 4例(3.8%)とLap群で有意に多かった.手術時間は274分(134-623) vs. 301分(155-662)(p=0.113)と差はなく,出血量は38g(0-1472) vs.15g(0-602)(p=0.040)とRo群で有意に少なかった.術中因子では吻合,神経合併切除,側方郭清の有無,開腹移行は差を認めず,側方リンパ節郭清は27%(59例) vs. 18%(19例)(p=0.245)とややLap群に多い傾向であった.Clavien-Dindo分類GradeII以上の合併症は37% vs. 21%(p=0.004)とRo群で少なかった. 術後SSIの発生に差はなく縫合不全は4%(8例) vs. 0%(0例)(p=0.048), 自己導尿率は8%(17例) vs. 1%(1例)(p=0.013)とRo群で有意に良い結果で,術後在院日数は14日(5-137) vs. 13日(5-43)(p=0.004)とRo群で有意に短かった.病理学的因子ではT,N因子,肛門側断端距離20mm(3-160) vs. 20mm(1-148mm)(p=0.226) に差はなかったが,郭清リンパ節個数は19個(12-28) vs. 16個(12-23)(p=0.002)とLap群で有意に多かった.RM陽性率は3.2%(7例)vs. 2.9%(3例)(p=0.880)と差はなかった.観察期間中央値53か月(Lap群: 55,Ro群: 43)で,3年RFS は78.7% vs. 71.4%(p=0.189), 3年OSは91.2% vs. 91.9%(p=0.168),3年局所無再発期間においても93.2% vs. 93.3%(p=0964)と差はなかった.
【結語】男性肥満直腸癌に対するロボット支援下手術は周術期合併症がLap群に比較して少なく,安全に行われていた.中期予後に差は無く,根治性も担保されていると考える.