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[WS1-3]Development of computer-aided diagnostic systems focused on the JNET classifications for colorectal lesions

Shin Morimoto1, 吉田 成人2, 呉 泳飛3, 小出 哲士3, 玉木 徹4, 網岡 祐生1, 山根 大寛1, 才野 正新1, 濱田 拓郎1, 上垣内 由季1, 田中 秀典1, 山下 賢1, 岸田 圭弘1, 桑井 寿雄5, 岡 志郎1 (1.Department of Gastroenterology, Hiroshima University Hospital, 2.呉医療センター・中国がんセンター内視鏡内科, 3.広島大学半導体産業技術研究所, 4.名古屋工業大学工学研究科情報工学専攻, 5.広島大学病院消化器内視鏡医学講座)
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【背景と目的】大腸NBI拡大診断のためのJNET(The Japan NBI Expert Team)分類の臨床的有用性が報告されているが,術者間での診断の相違など,その標準化が課題である。我々はNBI拡大診断の均てん化を目的にJNET分類診断支援リアルタイムAI装置の開発中であり,実臨床で撮影した動画を用いてその診断能を評価した。また,径10mm未満の病変について,advanced neoplasia(絨毛構造を有する腺腫,high-grade dysplasia,粘膜下層浸潤癌)以外の病変を“Resect and Discard”可能病変と定義し,その診断能についてリアルタイムAI装置と内視鏡医それぞれで検討した。
【対象と方法】2022年9月〜2025年3月に当院でリアルタイムAI装置を使用した連続症例104症例186病変(JNET Type 1 37病変,Type 2A 113病変,Type 2B 29病変,Type 3 7病変)を対象とした。検討1では,消化管内視鏡専門医の診断をゴールドスタンダードとし,リアルタイムAI装置のJNET分類診断一致率を検証した。検討2では,病理組織学的所見をゴールドスタンダードとし,径10mm未満の58病変(鋸歯状病変 7病変,腺腫 49病変,Tis〜T1a癌 1病変,T1b癌 1病変)についてJNET Type 2B,Type 3病変をadvanced neoplasia病変とした場合の診断能を,リアルタイムAI装置と専門医それぞれで検討した。
【結果】検討1では,実臨床における消化管内視鏡専門医とリアルタイムAI装置の診断一致率は,Type 1 100%,Type 2A 85%,Type 2B 73%,Type 3 71%,全体86%で,Kappa値0.75であった。検討2では,リアルタイムAI装置のadvanced neoplasiaとそれ以外の病変を区別する感度,特異度,精度,陽性的中率,陰性的中率は100%,96%,97%,50%,100%であった。これは専門医の50%,88%,86%,13%,98%と比べて高い値であった。
【結論】我々が開発中のリアルタイムAI装置は実臨床で撮影した動画でも消化管内視鏡専門医と良好な一致率が得られた。また,径10mm未満の病変についてadvanced neoplasiaの陰性的中率は100%であり,本リアルタイムAI装置の臨床的有用性が示された。今後前向き研究を含め,さらなる症例の蓄積,検証を行なっていく予定である。