Presentation Information
[WS3-4]Strategy for outlet obstruction after ileostomy in laparoscopic rectal cancer surgery
Mizunori Yeagashi, 佐々木 教之, 瀬川 武紀, 岩崎 崇文, 琴畑 洋介 (Department of Surgery, Iwate Medical University School of Medicine)
【背景】縫合不全関連の再手術や吻合部への影響を軽減する目的で一時的な人工肛門造設がしばしば行われる。特に回腸人工肛門は手技の簡便さからも結腸人工肛門より好まれて造設されている傾向があります。回腸人工肛門に特徴的な術後合併症として,結腸人工肛門と比べて排液過多に伴う脱水,腎機能障害や人工肛門周囲皮膚炎の発生,また人工肛門部の通過障害によるOutlet obstructionなどがある。
【目的】腹腔鏡下直腸癌手術に伴い回腸による一時的人工肛門を造設した症例を対象にoutlet obstructionのリスク因子を検討し、現在当科で行なっているoutlet obstructionに対する対策を報告する。本検討においてはOutlet obstructionの定義を腹部膨満,嘔吐などの症状を認め,画像検査による腹壁貫通部での通過障害もしくはストーマからの腸管内容吸引による症状の改善があった症例とした。
【結果1】2013年1月〜2019年12月までに対象は64例。年齢中央値59歳(30-77)、男性42例(66%)、BMI中央値23 (15-28)、縫合不全は4例(6.3%)。Outlet obstructionを認めた症例は20例(31.2%)、性別は男性15例/女性5例であった。リスク因子は、単変量解析では腹壁を通過する角度のみが抽出された(Outlet obstruction median(range) 有vs無、71.0°(53.1-84) vs 87.9°(81.2-108.4)、p<0.0001)。
現在、当科におけるoutlet obstruction対策は①腹腔鏡手術の場合は気腹を解除し②体位を水平に戻してから腹腔内とのルートを確保する③約4cm(2横指)の筋鞘切開④腸管の捻れがないよう自然な形で腹腔外への挙上を行う。
【結果2】2021年1月〜2023年12月までに回腸による一時的人工肛門を造設した症例は39例で、outlet obstructionを認めた症例は3例(7.7%)であった。
【結語】対応策を講じることで可能な限りoutlet obstructionの予防を行っていきたい。
【目的】腹腔鏡下直腸癌手術に伴い回腸による一時的人工肛門を造設した症例を対象にoutlet obstructionのリスク因子を検討し、現在当科で行なっているoutlet obstructionに対する対策を報告する。本検討においてはOutlet obstructionの定義を腹部膨満,嘔吐などの症状を認め,画像検査による腹壁貫通部での通過障害もしくはストーマからの腸管内容吸引による症状の改善があった症例とした。
【結果1】2013年1月〜2019年12月までに対象は64例。年齢中央値59歳(30-77)、男性42例(66%)、BMI中央値23 (15-28)、縫合不全は4例(6.3%)。Outlet obstructionを認めた症例は20例(31.2%)、性別は男性15例/女性5例であった。リスク因子は、単変量解析では腹壁を通過する角度のみが抽出された(Outlet obstruction median(range) 有vs無、71.0°(53.1-84) vs 87.9°(81.2-108.4)、p<0.0001)。
現在、当科におけるoutlet obstruction対策は①腹腔鏡手術の場合は気腹を解除し②体位を水平に戻してから腹腔内とのルートを確保する③約4cm(2横指)の筋鞘切開④腸管の捻れがないよう自然な形で腹腔外への挙上を行う。
【結果2】2021年1月〜2023年12月までに回腸による一時的人工肛門を造設した症例は39例で、outlet obstructionを認めた症例は3例(7.7%)であった。
【結語】対応策を講じることで可能な限りoutlet obstructionの予防を行っていきたい。