Presentation Information
[WS4-2]Characteristics of Crohn’s anal lesion -The role of proctologist for early detection and treatment of Crohn’s disease
Ken Tarumi1, 吉田 幸平2 (1.Tarumi Coloproctology Clinic, 2.新宿おしりのクリニック)
【はじめに】クローン病症例の多くは肛門病変を合併するが、肛門病変の中でも肛門周囲膿瘍・痔瘻は最も頻度が高く、最もQOLを低下させる病変である。そして肛門病変が先行する症例、肛門病変の症状が先行する症例も多く、まず先に肛門科を受診する症例も多い。このような症例を見逃さず少しでも早く治療を開始するのが肛門科医の役割である。今回当院及び演者の前任の施設で経験した肛門病変が初発だったクローン病に合併した肛門周囲膿瘍・痔瘻症例を検討し、肛門病変を合併したクローン病のマネージメントについて報告する。
【対象と方法】2001年~2024年の24年間で経験したクローン病肛門病変は142例だった。そのうち対象としたのはそれまでクローン病と診断されたことのない症例は69例であり、肛門病変を契機にクローン病と診断された症例の割合は48.6%だった。
【結果】クローン病を疑った理由は肉眼的所見58例(84.1%)、若年者であるため50例(72.5%)、病理組織所見34例(49.3%)、消化器症22例(33.3%)(重複を含む)の順だった。肛門病変の種類は肛門周囲膿瘍・痔瘻が最も多く54例(78.3%)、順にskin tag51例(73.9%)、裂肛・肛門潰瘍29例(42.0%)、狭窄27例(39.1%)、膣瘻2例(2.9%)(重複を含む)だった。最も多かった肛門周囲膿瘍・痔瘻の平均年齢は21.3歳(同期間に経験した通常の痔瘻40.5歳)、男女比は1.3:1(同8.9:1)であり、クローン病に合併した肛門周囲膿瘍・痔瘻は通常の肛門周囲膿瘍・痔瘻に比較して有意に若年者、女性の割合が多かった。
【結語】。肛門病変(特に肛門周囲膿瘍・痔瘻)を主訴として来院した患者を見逃さず、クローン病に対して早期診断、早期治療を行うためには、肛門病変の特徴を十分把握することが重要である。肛門病変が特徴的な所見でなくても消化器症状を認める場合や若年者や女性の痔瘻患者は、クローン病を念頭に置き積極的に消化管の精査をすべきと考えられた。
【対象と方法】2001年~2024年の24年間で経験したクローン病肛門病変は142例だった。そのうち対象としたのはそれまでクローン病と診断されたことのない症例は69例であり、肛門病変を契機にクローン病と診断された症例の割合は48.6%だった。
【結果】クローン病を疑った理由は肉眼的所見58例(84.1%)、若年者であるため50例(72.5%)、病理組織所見34例(49.3%)、消化器症22例(33.3%)(重複を含む)の順だった。肛門病変の種類は肛門周囲膿瘍・痔瘻が最も多く54例(78.3%)、順にskin tag51例(73.9%)、裂肛・肛門潰瘍29例(42.0%)、狭窄27例(39.1%)、膣瘻2例(2.9%)(重複を含む)だった。最も多かった肛門周囲膿瘍・痔瘻の平均年齢は21.3歳(同期間に経験した通常の痔瘻40.5歳)、男女比は1.3:1(同8.9:1)であり、クローン病に合併した肛門周囲膿瘍・痔瘻は通常の肛門周囲膿瘍・痔瘻に比較して有意に若年者、女性の割合が多かった。
【結語】。肛門病変(特に肛門周囲膿瘍・痔瘻)を主訴として来院した患者を見逃さず、クローン病に対して早期診断、早期治療を行うためには、肛門病変の特徴を十分把握することが重要である。肛門病変が特徴的な所見でなくても消化器症状を認める場合や若年者や女性の痔瘻患者は、クローン病を念頭に置き積極的に消化管の精査をすべきと考えられた。