Presentation Information
[WS5-1]Surveillance strategy following complete resection of synchronous and metachronous distant metastasis from colorectal cancer
Ryosuke Okamura1,8, 藤田 覇留久1,8, 佐々木 勉2,8, 大嶋 野歩3,8, 水野 礼4,8, 山本 高正5,8, 本間 周作6,8, 長山 聡7,8, 山本 健人1,8, 板谷 喜朗1,8, 肥田 侯矢1,8, 小濵 和貴1,8 (1.Department of Surgery, Kyoto University Hospital, 2.滋賀県立総合病院外科, 3.神戸市立医療センター中央市民病院外科, 4.国立京都医療センター外科, 5.神戸市立西神戸医療センター外科・消化器外科, 6.神戸市立医療センター西市民病院消化器外科, 7.宇治徳洲会病院外科, 8.京都大腸外科研究グループ(KCRG, Kyoto ColoRectal surgery study Group))
【背景】大腸癌は他臓器転移を起こした場合でも, 外科的根治手術を施行できれば予後が改善するとされている. 一方で, 異時性の他臓器再発巣を切除した症例(M群)や, 同時性の他臓器転移巣を切除した症例(Stage IV/CurB, S群)に対し, 術後にどういったサーベイランスをすべきかこれまであまり議論されていない. また両者の術後の再発出現形式を比較・考察した内容の報告も少ない.
【方法】今回M群について, KCRG7施設の2005-2020年に原発巣根治切除された大腸癌症例のうち, 術後初回再発に対し根治切除が施行できた290例について, その後の再発の出現時期・部位を検討した. S群については, 大腸癌フォローアップ研究会の全国22施設において1997~2006年にStageIV大腸癌に対し原発巣・転移巣根治切除が施行できた1,008例について以前報告したデータ(Okamura R, et al. Eur J Surg Oncol. 2018) を用い, 両群の比較検討をおこなった.
【結果】M群の再発割合は53%(n=153)で, うち50%(n=77)が再び根治切除を施行し得た. M群の再発の93%(n=143)が2年で, 100%が5年で出現していた. S群では, 再発割合は75%(n=753)で, うち39% (n=290)が再び根治切除を施行し得た. 再発症例の86%が2年で, 98%が5年で出現していた. M群では再発はすべて5年以内に見られたが, S群では5年無再発生存したうちの7%で5年を超えての再発が見られた. M群, S群ともに切除した転移巣と同一臓器への再発が最も多く, 再発を切除した場合, その後の5年生存率は良好であった(M群, 60%;S群, 56%).
【結論】他臓器転移を伴う大腸癌症例では, 同時性・異時性に関わらず根治切除後の再発割合は高く, 大部分が術後早期に同一臓器に出現する. 一方で, 再発症例において外科的切除が予後を改善しており, 定期サーベイランスの重要性が示唆される. 原発大腸癌根治度A切除後のサーベイランス法を参考にすると、両群ともに術後2年にIntensiveな画像フォローアップが必要と考える。また、M群のサーベイランス期間についてはより大規模のデータでの検討が必要であるが、S群では5年より長期のサーベイランスが必要な可能性が示唆された.
【方法】今回M群について, KCRG7施設の2005-2020年に原発巣根治切除された大腸癌症例のうち, 術後初回再発に対し根治切除が施行できた290例について, その後の再発の出現時期・部位を検討した. S群については, 大腸癌フォローアップ研究会の全国22施設において1997~2006年にStageIV大腸癌に対し原発巣・転移巣根治切除が施行できた1,008例について以前報告したデータ(Okamura R, et al. Eur J Surg Oncol. 2018) を用い, 両群の比較検討をおこなった.
【結果】M群の再発割合は53%(n=153)で, うち50%(n=77)が再び根治切除を施行し得た. M群の再発の93%(n=143)が2年で, 100%が5年で出現していた. S群では, 再発割合は75%(n=753)で, うち39% (n=290)が再び根治切除を施行し得た. 再発症例の86%が2年で, 98%が5年で出現していた. M群では再発はすべて5年以内に見られたが, S群では5年無再発生存したうちの7%で5年を超えての再発が見られた. M群, S群ともに切除した転移巣と同一臓器への再発が最も多く, 再発を切除した場合, その後の5年生存率は良好であった(M群, 60%;S群, 56%).
【結論】他臓器転移を伴う大腸癌症例では, 同時性・異時性に関わらず根治切除後の再発割合は高く, 大部分が術後早期に同一臓器に出現する. 一方で, 再発症例において外科的切除が予後を改善しており, 定期サーベイランスの重要性が示唆される. 原発大腸癌根治度A切除後のサーベイランス法を参考にすると、両群ともに術後2年にIntensiveな画像フォローアップが必要と考える。また、M群のサーベイランス期間についてはより大規模のデータでの検討が必要であるが、S群では5年より長期のサーベイランスが必要な可能性が示唆された.