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[WS5-7]Colitis-associated colorectal neoplasia in ulcerative colitis with primary sclerosing cholangitis: a nationwide study

Koichi Komatsu1, 品川 貴秀1, 斉藤 綾乃1, 船越 薫子1, 岡田 聡1, 野口 竜剛1, 杉原 健一2, 味岡 洋一3, 石原 聡一郎1 (1.Department of Surgical Oncology, The University of Tokyo, 2.東京科学大学, 3.新潟大学医学部臨床病理学分野)
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[背景]潰瘍性大腸炎(UC)に原発性硬化性胆管炎(PSC)が合併することはよく知られており、UC関連大腸腫瘍(UCAN)発症の高リスク群として認識されている。しかし、本邦を含むアジア諸国では欧米と比較して合併率は低く、PSC合併UC(PSC-UC)の臨床病理学的特徴を明らかにするには大規模データベースを用いた解析が必要である。
[目的]PSC-UCにおけるUCAN(PSC-UCAN)の臨床病理学的特徴を明らかにする。
[方法] 大腸癌研究会プロジェクト研究として1983年1月から2020年12月の期間に全国43施設において治療が行われたUCAN症例1222例が集積された。PSC合併が不詳な症例、low-grade dysplasiaのみの症例や、UCANの局在、組織型、pStage、予後情報欠損例を除く808例を対象とした。臨床病理学的特徴や、10年全生存率(OS)、10年癌特異的生存率(CSS)について、PSC-UCAN群(n=26)とUCAN-alone群(n=782)の2群で比較検討した。
[結果]PSC-UCAN群ではUCAN診断時の罹病期間が短く(12.8年 vs. 16.9年, p = 0.044), UCAN診断時年齢が若年 (47.8歳 vs. 53.3歳, p = 0.046)であった。UCANの局在はPSC-UCAN群で右側結腸に多かった (34.6% vs. 15.9%, p = 0.028). PSC-UCAN群ではhigh-grade dysplasia (HGD)の割合が UCAN-alone群と比較して低い傾向にあった(19.2% vs. 30.7%, p=0.051). UC関連大腸癌症例では、10-year OS (64.6% vs. 79.3%, p = 0.080) 、10-year CSS (80.8% vs. 83.9%, p = 0.60)に両群で統計学的有意差を認めなかった。
[結語]PSC-UCではPSC非合併例と比較してより若年でUCANを発症し、右側結腸に局在している症例が多かった。PSC-UCでは罹病期間が短いにも関わらず、HGDの割合が低く、早期のサーベイランス内視鏡の開始が重要である可能性が示唆された。