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[WS6-2]The analysis of the surgical strategy for diverticulitis of sigmoid colon

Keigo Yokoi1, 柴木 俊平1, 池村 京之介1, 渡部 晃子1, 坂本 純一1, 横田 和子1, 小嶌 慶太1, 田中 俊道1, 古城 憲1, 三浦 啓寿1, 山梨 高広1, 佐藤 武郎2, 内藤 剛1 (1.Dept of lower gastrointestinal surgery, Kitasato University School of Medicine, 2.北里大学医学部附属医学教育研究開発センター医療技術教育研究部門)
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【背景】結腸憩室炎は日常診療でも多く認められるCommon Diseaseであるが、穿孔、膀胱瘻、間膜穿通などその病態は多様性に富む。保存的加療にとどまるものもあれば、手術療法が必要になるものもある。手術療法においても緊急手術か否か、人工肛門造設を先行するかなど、その治療方針は多岐にわたり、一定のコンセンサスが得られていないのが現状である。
【目的】本研究の目的は当院におけるS状結腸憩室炎に対する手術療法の成績につき検討することである。
【対象と方法】2018年から2024年までに当院でS状結腸憩室炎に対して手術療法を施行した30例について治療成績を後ろ向きに検討した。治療方針を人工肛門造設のみ、人工肛門造設先行群(人工肛門造設した後に待機的に腸管切除を施行したもの)、切除先行群(初回手術で腸管切除を施行したもの)に分類し、治療成績につき比較した。
【結果】穿孔例が9例、穿通が6例、結腸膀胱瘻が12例、狭窄が6例に認められた。人工肛門造設のみが5例、人工肛門造設先行群が12例、切除先行群が13例であった。腸管切除を施行した25例のアプローチ法は開腹が6例、腹腔鏡が19例(うち開腹移行が3例)であった。永久人工肛門となった症例が10例でそのうちハルトマン手術が5例、結腸人工肛門造設のみが3例、回腸人工肛門造設のみが2例であった。人工肛門造設先行群と切除先行群で腸管切除時の治療成績を比較すると、手術時間、術後在院日数、大腸以外の臓器切除頻度、手術合併症の頻度に有意差は認められなかった。永久人工肛門となった症例は人工肛門造設先行群で1例(8.3%)、切除先行群で4例(30.8%)であった(P=0.16)。
【結語】当院におけるS状結腸憩室炎に対する治療成績を検討した。有意差は認められなかったが、人工肛門造設を先行することによって永久人工肛門を回避できる頻度が高くなると考えられた。