Presentation Information
[WS6-4]Retrospective analysis of risk factors for postoperative complications in emergency surgery for perforated colonic diverticulitis
Takahiro Kitagawa1, 諏訪 勝仁1, 力石 健太郎1, 佐々木 茂真1, 牛込 琢郎1, 岡本 友好1, 衛藤 謙2 (1.Department of Surgery, The Jikei University Daisan Hospital, 2.東京慈恵会医科大学外科学講座)
目的: 穿孔性大腸憩室炎緊急手術例の術後合併症リスク因子を解析する.
方法: 2014年1月から2025年4月までに当科で行った大腸憩室炎手術例66例のうち, 穿孔に対して緊急手術を行った48例を対象とした. Clavien–Dindo (CD)分類GradeIII以上の術後合併症リスク因子の解析を目的として, 年齢, 性別, Body Mass Index (BMI), ASA–PS, 術前SOFAスコア, Hinchey分類, 穿孔部位, 手術時間, 出血量, 腹腔鏡使用の有無, 術前の白血球数, 総ビリルビン, クレアチニン, アルブミンについて検討した. 統計学的手法はロジスティック回帰分析を用いた. 単変量解析でp<0.15の変数を多変量解析に導入し, p<0.05で有意とした. 年齢, BMI, 手術時間, 出血量, 白血球数, 総ビリルビン, クレアチニン, アルブミンのカットオフ値に関しては, ROC曲線から算出した.
結果: CD分類GradeIII以上の術後合併症は12例 (25%)に認めた. 年齢の中央値は71 [25–93]歳, 男女比は28:20であり, 腹腔鏡下手術は7例 (14.6%)に行われていた. 単変量解析では, 71歳以上 (odds ratio [OR]: 7, 95% confidential interval [CI]: 1.34–36.69, p=0.0213), ASA–PS3以上 (OR: 4.43, CI: 1.00–19.58, p=0.0497), SOFAスコア4点以上 (OR: 4.43, CI: 1.00–19.58, p=0.0497), 手術時間233分以上 (OR: 5.5, CI: 1.02–29.64, p=0.0473), クレアチニン 0.93mg/dL以上 (OR: 7.8, CI: 1.75–34.83, p=0.0071), アルブミン 2.7g/dL以下 (OR: 8.2, CI: 1.93–35.56, p=0.0044)が有意な因子であった. これらについて多変量解析を行ったところ, アルブミン 2.7g/dL以下 (OR: 7.37, CI: 1.01–53.85, p=0.0490)がCD分類GradeIII以上の術後合併症の独立したリスク因子であった.
結語: 穿孔性大腸憩室炎に対する緊急手術では, 術前のアルブミン低値がCD分類III以上の術後合併症のリスク因子であると考えられた.
方法: 2014年1月から2025年4月までに当科で行った大腸憩室炎手術例66例のうち, 穿孔に対して緊急手術を行った48例を対象とした. Clavien–Dindo (CD)分類GradeIII以上の術後合併症リスク因子の解析を目的として, 年齢, 性別, Body Mass Index (BMI), ASA–PS, 術前SOFAスコア, Hinchey分類, 穿孔部位, 手術時間, 出血量, 腹腔鏡使用の有無, 術前の白血球数, 総ビリルビン, クレアチニン, アルブミンについて検討した. 統計学的手法はロジスティック回帰分析を用いた. 単変量解析でp<0.15の変数を多変量解析に導入し, p<0.05で有意とした. 年齢, BMI, 手術時間, 出血量, 白血球数, 総ビリルビン, クレアチニン, アルブミンのカットオフ値に関しては, ROC曲線から算出した.
結果: CD分類GradeIII以上の術後合併症は12例 (25%)に認めた. 年齢の中央値は71 [25–93]歳, 男女比は28:20であり, 腹腔鏡下手術は7例 (14.6%)に行われていた. 単変量解析では, 71歳以上 (odds ratio [OR]: 7, 95% confidential interval [CI]: 1.34–36.69, p=0.0213), ASA–PS3以上 (OR: 4.43, CI: 1.00–19.58, p=0.0497), SOFAスコア4点以上 (OR: 4.43, CI: 1.00–19.58, p=0.0497), 手術時間233分以上 (OR: 5.5, CI: 1.02–29.64, p=0.0473), クレアチニン 0.93mg/dL以上 (OR: 7.8, CI: 1.75–34.83, p=0.0071), アルブミン 2.7g/dL以下 (OR: 8.2, CI: 1.93–35.56, p=0.0044)が有意な因子であった. これらについて多変量解析を行ったところ, アルブミン 2.7g/dL以下 (OR: 7.37, CI: 1.01–53.85, p=0.0490)がCD分類GradeIII以上の術後合併症の独立したリスク因子であった.
結語: 穿孔性大腸憩室炎に対する緊急手術では, 術前のアルブミン低値がCD分類III以上の術後合併症のリスク因子であると考えられた.