Presentation Information
[WS6-6]Treatment Strategies for Colonic Diverticulitis Complicated by Localized Peritonitis
Shinji Tokuyama, 河合 賢二, 高橋 佑典, 俊山 礼志, 山本 昌明, 酒井 健司, 竹野 淳, 濱 直樹, 宮﨑 道彦, 平尾 素宏, 加藤 健志 (NHO Osaka National Hospital, Department of Surgery)
【緒言】大腸憩室炎は時に穿孔、穿通により腹膜炎を合併することがある。限局性の腹膜炎に対する手術介入の有無やその時期については議論が分かれる。今回当院における限局性腹膜炎を合併した大腸憩室炎に対する治療法について検討を行った。
【方法】2013年4月から2025年3月までの期間中、当院において大腸憩室炎に対して加療を行った症例のうち、限局性腹膜炎を呈した症例を対象とし、患者背景、治療方法、治療成績について後方視的に検討した。当院の治療方針は、膿瘍のサイズが大きい場合や敗血症合併に対して手術加療を第一選択とし、膿瘍のサイズが小さく保存的加療の奏功が期待される症例に対しては腸管安静、抗生剤加療で治療を開始している。保存的治療が奏功しない場合、準緊急的に手術加療を行っている。また保存的加療を行う症例に対して可能であれば経皮的ドレナージを行っている。
【結果】対象の症例は33例、平均年齢は58.2歳、男性15例、女性13例であった。周囲の炎症とairを認めるが膿瘍形成に至っていない症例が7例、膿瘍を形成した症例は26例で膿瘍径は中央値3cm(1.5~10.4cm)であった。緊急手術を行った症例は7例であり、それ以外の26例は腸管安静、抗生剤投与による保存的加療で治療を開始した。経皮的ドレナージを3例で行い、23例では解剖学的に穿刺不可能または穿刺不要のため行わなかった。その23例のうち15例では保存的加療で治癒に至ったが、8例は治療効果が乏しく手術加療を行った。入院から手術までの期間は中央値8日(3~13)日であった。保存的加療で治癒した群と準緊急手術を要した群の比較では、保存的加療で治癒した群で膿瘍径が有意に小さかった(1.5cm vs 4.1cm, p<0.01)。
【結語】膿瘍径が大きく、経皮的なドレナージが困難な症例では保存的加療が奏功しない可能性が高く、手術加療について検討を行う必要がある。
【方法】2013年4月から2025年3月までの期間中、当院において大腸憩室炎に対して加療を行った症例のうち、限局性腹膜炎を呈した症例を対象とし、患者背景、治療方法、治療成績について後方視的に検討した。当院の治療方針は、膿瘍のサイズが大きい場合や敗血症合併に対して手術加療を第一選択とし、膿瘍のサイズが小さく保存的加療の奏功が期待される症例に対しては腸管安静、抗生剤加療で治療を開始している。保存的治療が奏功しない場合、準緊急的に手術加療を行っている。また保存的加療を行う症例に対して可能であれば経皮的ドレナージを行っている。
【結果】対象の症例は33例、平均年齢は58.2歳、男性15例、女性13例であった。周囲の炎症とairを認めるが膿瘍形成に至っていない症例が7例、膿瘍を形成した症例は26例で膿瘍径は中央値3cm(1.5~10.4cm)であった。緊急手術を行った症例は7例であり、それ以外の26例は腸管安静、抗生剤投与による保存的加療で治療を開始した。経皮的ドレナージを3例で行い、23例では解剖学的に穿刺不可能または穿刺不要のため行わなかった。その23例のうち15例では保存的加療で治癒に至ったが、8例は治療効果が乏しく手術加療を行った。入院から手術までの期間は中央値8日(3~13)日であった。保存的加療で治癒した群と準緊急手術を要した群の比較では、保存的加療で治癒した群で膿瘍径が有意に小さかった(1.5cm vs 4.1cm, p<0.01)。
【結語】膿瘍径が大きく、経皮的なドレナージが困難な症例では保存的加療が奏功しない可能性が高く、手術加療について検討を行う必要がある。