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[I-OR04-03]Comparison of outcomes for pulmonary atresia with intact ventricular septum: Percutaneous transluminal pulmonary valvuloplasty vs. surgical valvotomy
○Keita Ito1, Toshikatsu Tanaka1, Ryosuke Nakai1, Shingo Kubo1, Yasunobu Miki1, Naoya Kamei1, Yoshiharu Ogawa1, Sachiko Kido1, Hironori Matsuhisa2 (1.Department of Cardiology, Kobe Children's Hospital, Kobe, Japan, 2.Department of Cardiovascular Surgery, Kobe Children's Hospital, Kobe, Japan)
Keywords:
純型肺動脈閉鎖,PTPV,肺動脈弁切開術
【背景】純型肺動脈閉鎖(PA/IVS)は病態の多様性が高い。二心室修復を目指す症例に対する肺動脈弁への初回介入には経皮的バルーン肺動脈弁形成術(PTPV)と外科的肺動脈弁切開術がある。二心室修復に到達した症例の短期予後は良好だが、中長期予後は不明である。【目的】PA/IVSに対するにおける中長期予後を含めた経過を比較検討する。【方法】2006~2024年に二心室修復を目指し肺動脈弁に介入したPA/IVS患者21例のうち、PTPV時の右室穿孔例と大動脈弁狭窄合併例を除く19例を対象とした。PTPV群(P群:8例)、外科的肺動脈弁切開術群(S群:11例)を診療録から後方視的に分析した。【結果】体重、三尖弁・肺動脈弁輪径、右室拡張末期容積、術後の挿管日数・PICU滞在日数、肺動脈弁への再介入回数、追跡期間に有意差はなかった。術後の入院期間の中央値はP群28日(四分位範囲17-36)、S群39日(四分位範囲33-63)で、P群が短縮傾向を示した(p=0.052)。最終受診時の心エコーで中等度以上の肺動脈弁逆流を認めた症例は両群とも2例だった。体肺動脈短絡術(BTS)施行率はP群13%、S群55%であり、S群ではBTS閉塞による再手術、離断手術、BTS吻合部狭窄に対するカテーテル治療を要する例があった。【考察】PTPVは低侵襲で術後回復が早く、入院期間の短縮が期待できることが示唆された。特に新生児では早期退院が可能な点は利点である。一方、右室穿孔等の合併症リスクがあり、適応判断は慎重を要する。外科的肺動脈弁切開術はBTS併用例が多く、追加治療を要する例もあったが、術後管理や肺動脈弁逆流の重症度はPTPVと同程度だった。美容的観点や将来の外科的肺動脈弁置換術時の癒着回避の点でも、PTPVの優位性が示唆された。【結論】PA/IVSで二心室修復を目指す症例では可能な限りPTPVを第一選択とすることが望ましい。ただし、BTSが必要な症例やPTPVで十分な弁開放が得られない場合は、外科的介入が不可欠である。