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[I-OR06-03]Risk factors of prolonged ventilation in cases requiring delayed sternal closure

Wataru Moriyama, Norihiko Oka, Takahiro Tomoyasu, Masahiro Kaneko, Kenta Matsui (Jichi Children's Medical Center Tochigi, Pediatric and Congenital Cardiovascular Surgery, Tochigi, Japan)
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Keywords:

二期的閉胸,長期挿管,水分バランス

【背景】新生児開心術症例など重症例では術後開胸管理を要することがある。開胸管理中は筋弛緩薬投与を必要とし、長期投与による呼吸筋などの筋力低下およびその後の人工呼吸管理の遷延が懸念される。【目的】二期的閉胸症例における長期挿管のリスク因子を検討し、開胸時間と人工呼吸管理時間との関係を明らかにすること【方法】2021年4月から2024年12月の期間に術後開胸管理を行った31例を後方視的に検討した。連続変数は中央値(IQR)で表した。【結果】手術時の月齢は2か月(IQR:1-3)、体重は3.9kg(IQR:3.2-4.6)だった。手術時間は374分(IQR:314-531)、Aristotle scoreはCAS 10(IQR:9-13)、体重あたりの輸血量は181.4ml/kg(IQR:127.4-286.7)だった。開胸管理時間は112時間(IQR:74-166)、術後から閉胸までの体重あたりの水分バランスは+37.5ml/kg(IQR:-28.2-+97.4)、閉胸から抜管までの体重あたりの水分バランスは+20.5ml/kg(IQR:+3.36-+95.2)、筋弛緩時間は124.7時間(IQR:87-192)、総挿管時間は383時間(IQR:193.8-555.2)だった。統計学的検討では術後から閉胸までの水分バランスと開胸管理時間に有意な正の相関を認め、閉胸から抜管までの体重あたりの水分バランスと総挿管時間との間に有意な正の相関を認めた。挿管時間と開胸管理時間、挿管時間と筋弛緩時間との間には統計学的相関関係は認めなかった。【結論】挿管時間と開胸管理時間、挿管時間と筋弛緩時間との間に統計学的に有意な相関を認めなかった。開胸管理の長期化が必ずしも筋力低下などによる長期挿管のリスクとはならず、閉胸までに要する時間、総挿管時間ともに水分バランス管理がより重要であり、十分な水分バランス管理を行ってから閉胸し、安定した循環のもと閉胸後もマイナスバランスを目指すことで長期人工呼吸管理を回避できる可能性が示唆された。