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[I-OR12-03]ベッドサイドモニタ心電図を用いた早産児及び正期産児の心拍変動解析

飯坂 建太1,2, 高橋 健1,3, 岩原 可名人1, 西山 樹1, 秋本 智史2, 岩島 覚4, 寒竹 正人2, 稀代 雅彦5, 東海林 宏道5 (1.順天堂大学大学院 小児思春期発達・病態学講座, 2.順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科, 3.順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科, 4.中東遠総合医療センター 小児科, 5.順天堂大学小児科)
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Keywords:

心拍変動,自律神経,新生児

【背景】心拍変動解析は自律神経機能を反映し、様々な疾患で患者層別化や予後指標に役立つ有用な指標である。新生児領域でも海外を中心に研究が行われ、状態の把握や予後予測の有用性が報告されているが、新生児集中治療室(NICU)における早産児及び新生児の長時間の自律神経機能の推移は解明されていない。【目的】ベッドサイドモニタ心電図波形から心拍変動解析を行い、早期産及び新生児の自律神経の推移を明らかにすること。【方法】対象は2022年4月から2023年3月までに出生し、当院のNICUで入院管理が行われた新生児124例で、P1群からP4群の早産児4群(在胎28~30週、31~32週、33~34週、35 ~36週)と正期産児T群に分類した。心電図データはベッドサイドモニタ (ダイナスコープ8000シリーズ DS-8400、フクダ電子株式会社)から抽出し、独自のプログラムで解析を行った。心拍変動解析には、主に時間領域指標のRMSSD(Root Mean Square of Successive Differences)を用い、5分毎に計測を行い解析を行った。RMSSD高値は副交感神経優位を示し、低値は交感神経優位を示す。【結果】合計80,051箇所で解析が行われた。RMSSDは出生時にP1群からP4群の早産児群は全てT群に比較し優位に低値であり、出生週数が早い方が出生後にRMSSDの増加を示さない傾向にあった。その結果、修正在胎週数38~39週時は全ての群間で有意差を示し、出生週数が早い方がRMSSDはより低値を示した。心拍数の低下に伴いRMSSDは増加する傾向にあるが、出生週数が早い方が、低い心拍数でもRMSSDがより低い傾向にあった。【結論】自律神経機能は出生週数に大きく影響され、早期産児では修正在胎週数が満期に達しても自律神経指標は成熟せず、その後も注意深い経過観察が必要である。