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[I-PD1-2]Strategy for Additional Pulmonary Blood Flow at the Bidirectional Glenn Procedure at Our Hospital

Yuta Hosoya, Yuichi Hanaoka, Ai Kojima, Takeshi Konuma (Department of Cardiovascular Surgery, Nagano Children's Hospital, Nagano, Japan)
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Keywords:

Additinal Pulmonary Blood Flow,Bidirectional Glenn,Pulmonary Artery Index

【背景】BDG手術時におけるAdditional Pulmonary Blood Flow(APBF)は, 肺動脈発達と体肺側副血行抑制を目的に行うがその効果や方法についてはまだ明確な指標はない.【目的と方法】当院では2021年以降, Pulmonary Artery Index(PAI)が200未満の症例では, 術中にGlenn圧が18mmHg未満となるように調整しAPBFを残している. 具体的に, 主肺動脈が残存している場合は絞扼を追加し, 体肺動脈シャントの場合はclippingでAPBF流量を調整している. 2017年から2024年に計38例のBDGを施行し, 内14例がPAI200未満の肺動脈低形成例であった. この内8例でAPBFを残し, 内5例でTotal Cavopulmonary Connection(TCPC)に到達している(APBF(+)群). これらの症例をPAI200未満でAPBFを残していない症例(APBF(-)群,6例)と比較し後方視的に検討した.【結果】APBF(+)群では(-)群と比較し, 術後PaO2(mmHg)が有意に高い結果(74.5vs47.8)となった(P<0.05). 房室弁逆流はAPBF(+)群の8例でいずれも明らかな増悪は認めず, TCPC術前平均肺動脈圧は11.3mmHgと良好で, (-)群と比較し有意差は認めなかった(11.3vs10.9). TCPC術前のQpはAPBF(+)群で3.25,(-)群で2.45と(+)群で高値であったが有意差はなかった(P=0.09). PAI200未満の症例ではBDG時に肺動脈形成を高頻度で同時施行しており(7/14例), APBFによる肺動脈成長の評価は困難であった(TCPC術前PAI/BDG術前PAI 1.32vs1.22).【結論】PAI200未満の肺動脈低形成例では, APBFを残すことで術後PaO2を高値に保つことができた. APBFは適応症例全てに実施でき術後有害事象は認めなかった. 肺動脈成長への寄与は十分検討できなかったが, PAIの十分な拡大が得られない例では肺動脈圧に応じclippingを外す選択肢もあり, APBFがPAI200未満の症例に有効である可能性が示唆された. また良好なフォンタン循環確立を目標としたAPBF適応拡大の可能性についても検討したい.