Presentation Information
[II-OR20-02]Long-term outcomes of direct anastomosis repair for TAPVR in biventricular physiology
○Satoshi Asada1, Yumeka Tamai1, Hideki Masumi2, Kosuke Nishi2, Nori Imaoka2, Satoshi Marutani2, Noboru Inamura2 (1.Department of Cardiovasucular Surgery, KINDAI University, Osaka, Japan, 2.Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, KINDAI University, Osaka, Japan)
Keywords:
総肺静脈還流異常症,肺静脈狭窄,直接吻合法
【目的】総肺静脈還流異常症(TAPVR)修復術の予後改善のためには術後肺静脈狭窄(PVO)回避が必須である。近年PVO回避のためにSutureless法が主流となりつつあり、その予後改善が期待されている。当院では、これまで一貫して直接吻合法による修復術を行ってきており、その術式と遠隔成績を検討した。【方法】1995年-2024年において当院でTAPVR修復術は31例に施行され、そのうち22例が二心室修復群であり、術式が異なるDarling IIa型を除外した20例を対象とした。手術時日齢と体重の中央値は11日(IQR: 4-28)、2.9kg(2.7-3.6)であった。Darling分類は、Ia 12例, Ib 2例, III 3例, IV 3例であった。【結果】手術は全例で共通肺静脈幹と心房の直接吻合法で行われた。15例(75%)で左心耳まで切開延長して吻合した。吻合に際し11例(55%)で循環停止を併用した(循環停止時間中央値29分)。アプローチはSuperior 1例, Posterior 14例, Right lateral 5例であり、Right lateralの場合は右房後壁まで切開延長して吻合し、心房内はパッチによるreroutingを行った。フォローアップ期間中央値は12.6年(7.5-16.1)。術後死亡例なし。循環停止に伴う脳合併症や不可逆性臓器不全はなし。PVO再介入回避率は1年100%, 10年100%, 20年80%であり、再介入例は1例のみであった。III型修復術後16年後に中枢性PVO解除術を行い、再介入術後は問題なし。末梢性PVO症例なし。カテーテル再介入症例なし。術後1年後の心臓カテーテル検査では、中央値で平均肺動脈圧14mmHg(13-18), 左肺動脈楔入圧9mmHg(6-10), 右肺動脈楔入圧8mmHg(7-10)であった。【結語】直接吻合法におけるTAPVR修復術の遠隔成績は良好であった。循環停止併用による無血視野確保と、アプローチ法の適切な選択、左心耳切開や右房後壁切開による大きな吻合口の作成が、PVO回避に寄与していた。Sutureless法が選択される傾向にあるが、直接吻合法の適応に関して再考の余地はあると示唆された。