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[II-OR23-02]Complete aortic cusp reconstruction (Ozaki procedure) for pediatric patients and adolescents with congenital aortic valve disease

Yoshinori Miyahara, Yui Horikawa, Naohiro Horio, Mariko Saito, Daishiro Yamaoka, Yoko Ishii, Takeshi Shimizu, Shun Yanai, Hiroaki Kise, Takanari Fujii, Hideshi Tomita (Pediatric Heart Disease and Adult Congenital Heart Disease Center, Showa University Hospital, Tokyo, Japan)
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Keywords:

先天性大動脈弁膜症,尾崎手術,大動脈弁再建

【緒言】成長期にある小児の大動脈弁疾患において,弁置換術は人工弁サイズの問題に加えて生涯の抗凝固薬内服による出血・血栓性合併症のリスクがある.近年,Ross手術の良好な長期成績が報告されているが,移植肺動脈弁輪拡張や,2弁疾患となる問題もある.心膜を用いた大動脈弁尖再建法である尾崎手術は,狭小弁輪でも優れた血行動態を示し,抗凝固薬内服を必要としない手術法として世界中で広く行われ,小児領域では,Ross手術の代替手術としても認知されている.当施設での小児・若年者に対する尾崎手術の経験を報告する.【症例】当施設にて,2017年から2024年の間に小児および若年者6症例(中央値11.5歳,6-22歳,男児5例)に対して尾崎手術を施行した.【結果】15歳男児と6歳男児の2症例に,再手術(BentallおよびKonno手術)を要した.他の4症例は有意な弁逆流(全例trivial以下)や圧格差(平均2.7m/s, 1.8-3.2m/s)をきたすことなく最長7.5年間良好に経過している.1症例に感染性心内膜炎をきたしたが,保存的治療で弁機能悪化なく治癒した.また,2症例において,術中に余剰自己心膜弁による左冠動脈閉塞をきたし,弁尖高を切り下げる追加手技を要した.【考察・結語】尾崎手術は,弁尖サイジングやテンプレートによる弁尖切り出しが定型化された手術であるが,縫合デザイン,縫合法,術野展開等に少なくないlearning curveがある.特に,Valsalva洞が低形成で3尖弁形態でないことが多い小児症例では,難易度がやや高い手技であると考えられた.当施設での最初の症例と最年少症例に再手術を要したが,尾崎手術遂行に必要な手術インフラが整っていない状況での手技が結果に影響した可能性が高い.尾崎手術は,推奨される器具を用いてoriginalに忠実な手技を施行することが成功の鍵となる.また,小児症例が少なく,術者が経験を積みにくいのも課題である.