Presentation Information
[II-OR23-04]An in vitro evaluation of bicuspid aortic valve morphology
○Sara Kubo1,2, Hironaga Shiraki1,2, Mutsuki Noda3, Hironori Matsuhisa1, Kenji Okada2, Osamu Kawanami3, Shunsuke Matsushima1,2 (1.Department of Cardiovascular Surgery, Kobe Childrens Hospital, Kobe, Japan, 2.Division of Cardiovascular Surgery, Department of Surgery, Kobe University Graduate School of Medicine, Kobe, Japan, 3.Department of Mechanical Engineering, University of Hyogo, Himeji, Japan)
Keywords:
大動脈弁,大動脈二尖弁,in vitro実験
目的:大動脈二尖弁における形成術では均等な二尖への修復を目指し, 弁輪から弁尖自由縁までの長さであるgeometric height (GH) をもとに適正な弁尖自由縁長 (free margin length, FML) となるように弁尖の縫縮やパッチ補填といった手技を行う. しかし小児領域では特に, 術中に設定したFMLから想定される以上の弁狭窄所見をしばしば認める. 我々は模擬循環回路によるin vitro実験を用いてGHやFML以外に弁開口を規定する因子の有無を検討した.方法:3Dプリンターで作成した大動脈基部 (弁輪径 24mm) にウシ心膜で作成した大動脈弁尖を縫着した二尖弁モデルを作成した. 弁尖はGH23mm, FML40mm, cusp insertion line長80mm, free marginのcusp nadir側への弯曲3mmのモデルAを基準とし, cusp insertion line長を70mmにしたモデルB, free marginの弯曲を10mmにしたモデルCを用意, さらにこれら弁尖と大動脈基部とをcrown shapeに縫着したモデルA-Cに対し, straight lineに縫着したモデルDも作成. これらを模擬循環回路に組み込み, 血圧 120/80mmHg, 脈拍 70bpm, 一回心拍出量 70mlの条件で弁前後の圧を測定し, それぞれの弁開閉形態をハイスピードカメラにて撮影した. 弁前後の収縮期圧較差と弁開口形態, 弁開口率 (弁開口面積/弁輪部面積) を各モデル間で比較した.結果:モデルA-Dの収縮期圧較差はそれぞれ9.5mmHg, 17.2mmHg, 16.2mmHg, 12.9mmHgであった. Aでは円形の開口で開口率58.0%であったのに対し, BではCusp nadir近くが動かず長方形の開口で開口率は45.9%, CではFree margin近くの動きが制限された菱形の開口で開口率は37.2%, Dでは弁全体がテント状に張ることでラグビーボール形の開口で開口率は41.7%であった.結語: GHとFML以外にもfree marginやcusp insertion lineの幾何学的な違いによっても弁開口に差異が出現することが示唆され, パッチ補填などで弁尖を作り直す際には特に注意を要すると考えられた.