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[II-SL4-1]Clinical application of medical artificial intelligence: from research planning to pharmaceutical approval

Ryuji Hamamoto1,2 (1.Division of Medical AI Research and Development, National Cancer Center Research Institute, Tokyo, Japan, 2.Cancer Translational Research Team, RIKEN Center for Advanced Intelligence Project, Tokyo, Japan)
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Keywords:

医療AI,臨床応用,薬事承認

深層学習の登場に伴う機械学習技術が急速に進歩したことを主な理由として、人工知能(AI)技術への期待が高まっている。実際社会のあらゆるところにAI技術は浸透しており、米国サンフランシスコでは、AI技術を活用した完全自動タクシーも運行されるなど、AIは特別な技術ではなく、我々の社会に必須な要素技術の一つとなっている。2017年にTransformerの登場に伴いChatGPTをはじめとした生成AIが飛躍的に進歩したことにより、益々社会におけるAI技術の活用は進んでいる。この動向は医療分野も例外ではなく、米国FDAに承認されたAI搭載の医療機器は1000種類を超え、我が国でも複数のAI搭載医療機器が薬事承認を取得し、現在実地臨床で使用されている。一方で他の分野と異なり、医療分野は薬機法・医師法・個人情報保護法など関連する法律は多く、また人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針を遵守しながら研究開発を行う必要がある。さらに、人の命に係わるため安全性の担保・品質管理も非常に重要である。本演者は、2016年1月22日に閣議決定された第5期科学技術基本計画に基づき、国策としてAI研究開発を進めていくことが決定された後、国内に先駆ける大型の医療AI研究開発プロジェクトとして、「人工知能技術を活用した統合的ながん医療システムの開発」プロジェクトを2016年より研究代表として開始し、その後2018年からは内閣府主導のPRISM事業、2023年からは内閣府主導のBRIDGE事業と、一貫して臨床応用を目的とした医療AI研究開発に従事してきた。その間に、AI搭載医療機器(内視鏡診断支援及び超音波診断支援)の薬事承認をはじめ、複数の成果を社会実装してきた。本講演では、その経験に基づき医療AIの臨床応用に関する現状と課題、また今後の方向性を紹介する。