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[III-OR31-04]The effects of bilateral pulmonary artery banding on pulmonary artery development

HISAYUKI HONGU, KOJI NOMURA, IZUMI HAMAYA, SHINYA UGAKI, TOSHIKAZU SHIMIZU (Department of Cardiovascular Surgery, Saitama Children's Medical Center, Saitama, Japan)
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Keywords:

左心低形成症候群,両側肺動脈絞扼術,PA index

【目的】左心低形成症候群(HLHS)およびその類縁疾患(variant)に対する外科治療において、当院では新生児期にLasso法を用いた両側肺動脈絞扼術(bil.PAB)を施行した後、rapid two-stageでのNorwood手術を基本方針としている。今回、両側肺動脈(PA)絞扼期間が肺動脈の発育に及ぼす影響について後方視的に検討を行った。
【対象】2017年以降、HLHSおよびvariantに対し、上記治療戦略を選択した連続27例を対象とした。診断はHLHSが18例、variantが9例。bil.PAB時の年齢/体重の中央値は4日/2.9kg。bil.PABからNorwood手術までの待機期間の中央値は1.2ヶ月。絞扼期間が35日未満の13例をS群、35日以上の14例をL群とした。bil.PAB後に絞扼再調整を要したのはS群で2例、L群で3例(p=1.00)。2例(S群 1例/L群 1例)において、Norwood手術時に絞扼解除だけでなく、より良い発育のためにPA拡大形成を追加した。
【結果】S群で12例、L群で10例が両方向性グレン手術(BDG)に到達。BDG前のNakata indexはS群で大きい傾向であった(p=0.70)。また、PA圧や肺血管抵抗値(Rp)についても有意差は認めなかった。BDG時にPA拡大形成を行なったのはS群で5例、L群で6例(p=0.67)。フォンタン手術到達はS群で10例、L群で7例(p=0.24)。TCPC前のNakata indexについてもS群で大きい傾向であったが(p=0.27)、PA圧(p=0.26)やRp(p=0.46)についてはL群で低い傾向であった。
【結論】フォンタン循環の評価には様々な交絡因子があり、bil.PAB期間だけによる一元的な評価は難しいが、絞扼期間を短くすることで肺動脈の物理的な発育に寄与する可能性が示唆された。また、Lasso法によるbil.PABは絞扼解除のみで概ね十分な拡張が得られ、単心室循環の患者の初期介入として良い術式であると考えた。