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[III-P02-4-02]重度肺動脈狭窄/肺動脈閉鎖・中心肺動脈低形成/欠損および房室弁機能障害を合併する単心室症に対する治療戦略

小澤 秀登1, 荒木 幹太1, 石津 寛治1, 中村 香絵2, 佐々木 赳2, 藤野 光洋2, 川崎 有希2, 吉田 葉子2, 鈴木 嗣敏2, 杉山 央2, 鍵崎 康治1 (1.大阪市立総合医療センター 小児心臓血管外科, 2.大阪市立総合医療センター 小児循環器不整脈科)
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Keywords:

単心室,肺動脈狭窄,体心室肺動脈心外導管

背景:severe PS/PA・中心肺動脈(CPA)低形成/欠損及びAVVRを合併する単心室に対し適切な肺血流の調整を目的とし、早期のCPA形成・心室肺動脈心外導管(SVPA conduit)、積極的なcatheterによる狭窄部のballoon拡張、乳児期早期のGlenn手術を行う方針としており、その成績を報告する。治療方針:SVPA conduitはring付ePTFE人工血管を使用。clipによる肺血流調整は循環動体やAVVRの程度により決定し、catheterによるCPA狭窄部のballoon拡張やclipをはずすことで肺血流を調整。AVVRに対し、房室弁の前後方向のbridgingを施行し、必要時はGlenn時に弁形成を追加。Glenn時、CPAは上大静脈壁およびePTFE人工血管から作成したpouchにて形成。対象:2020年以降の連続5例。診断はRIH、CIRV、TAPVC(IIb)、PA、CAVVR(mod2, mild2):4例(内CPA欠損1例)、UAVSD、hypoRV、SAS、CoA、severe CAVVR、21triosmy:1例.結果:初回手術時の年齢は中央値1(0-2)ヵ月,体重3.1(1.8-4.7)kg。PA indexは130(31-177)、CPAの径は2.1(欠損-3.0)mm、AVVRはmild:2例、moderate:2例、severe:1例。Conduitのsizeは5mm:4例、6mm:1例。肺動脈分岐部は全例自己心膜によるパッチ形成。4例で手術時にclipによる肺血流の調整を行い、1例で閉胸時にclipを追加した。4例でAVVRに対してbridgingを同時に施行した。術後のcatheterによるballon拡張を3例で施行。3例でclipを外した。Glenn手術前のPAIは176.5(123-229)と初回手術前よりも成長を認めた。1例はGlenn待機中。3例はGlennに到達(生後4.6(3.7-6.1)ヵ月)しFontan待機、1例でFontanに到達(2歳,中心肺動脈欠損例)。最新のAVVRの程度はmild例、modarate:2例であった。結論: severe PS/PA・重度中心肺動脈狭窄及び房室弁機能障害を合併する単心室症に対する、SVPA conduitによる肺血流制御およびbridgingによるAVVRの制御、積極的な術後catheterによるinterventionおよび早期のGlenn手術は有用な治療戦略と考えられた。