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[I-JHRSJS-4]無症候性キャリアの妊娠出産:周産期管理と児の遺伝相談

相庭 武司 (国立循環器病研究センター)
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先天性QT延長症候群,カテコラミン誘発多形性心室頻拍,ブルガダ症候群

代表的な遺伝性不整脈の先天性QT延長症候群(LQTS)、カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)、ブルガダ症候群(BrS)は、KCNQ1, KCNH2, SCN5AやRYR2遺伝子が主な原因遺伝子で常染色体顕性遺伝形式をとることが多い。しかしながらその遺伝子診断率や発症年齢は疾患により異なり、LQTSやCPVTは比較的遺伝型ー表現型の関係性が高く小児期から発症することが多いのに対して、BrSでは遺伝子診断率は15-20%と低く発症も成人以降が多くLQTS/CPVTと大きく異なる。さらにBrSでは性差があり患者の8割は男性である。したがって、無症候性キャリアの周産期管理や児への遺伝などについては疾患によって大きく異なる。LQTSでは一般的に症状に関係なく繰り返し記録された安静時心電図にてQTc≧470msecを満たせば予防的なβ遮断薬の内服が推奨(クラスI)されている。とくにLQT2(KCNH2キャリア)では妊娠出産により心イベント発症リスクが高まることが知られており、β遮断薬の服用が強く推奨される。またLQTSやCPVTでは小児期から発症する場合が多く、アクショナブルな遺伝子であることからも心電図など定期的なサーベイランスとともに希望すれば早期に遺伝学的検査も検討すべきである。CPVTは安静時心電図では診断できないことが多く、児に対しては早期の遺伝学的検査が有用である。一方、BrSは女性患者そのものが稀でかつ妊娠出産がリスクになるというエビデンスはない。さらに児についても仮にSCN5Aキャリアであっても小児期にBrSを発症するリスクは低い。しかしながらSCN5A変異はBrS以外に、洞不全症候群、心房性不整脈、右脚ブロックや心室頻拍などを小児期青年期から惹起することもあり、家族性が疑われる場合は定期的な心電図検査は必要である。本講演ではLQTS, CPVT, BrSを中心に妊娠出産の影響と児への遺伝についてのこれまでの知見を報告する。