Presentation Information
[I-OR01-02]21トリソミー合併成人先天性心疾患における移行期医療と地域連携の課題
○土田 裕子, 宍戸 亜由美, 藤岡 泰生, 稲毛 章郎 (日本赤十字社医療センター 小児科)
Keywords:
成人先天性心疾患,21トリソミー,移行期医療
【背景】先天性心疾患合併の21トリソミー(T21)患者の予後は改善している一方、成人医療への移行に難渋し、小児科診療を継続している症例は多数存在する。
【目的】当院で経験したT21合併の成人先天性心疾患2例の入院経過から、T21の移行期医療の問題点について検討する。
【症例1】21歳男性、不均衡型房室中隔欠損、右室低形成に対し生後1歳1カ月で一期的に心外導管によるTCPC術後。橋本病、腎機能障害、高尿酸血症を合併していた。21歳時、RSウイルス感染を契機とした蛋白漏出性胃腸症で入院した。頻回のアルブミン補充、利尿剤大量投与を行ったが、改善に時間を要した。当院が自宅から遠方であることや、主介護者の母親の体調不良を踏まえ、地域医療機関への転院を検討したが調整に難渋した。心外合併症の診療、有事対応可能な地域医療機関との連携を調整して自宅退院した。
【症例2】29歳男性、心室中隔欠損に対し、生後7カ月で心内修復後。僧帽弁裂隙に伴う弁逆流、肺高血圧、てんかん、行動障害を合併していた。13歳時に心房細動を発症し、僧帽弁逆流の増悪を認めたが、家族の意向で侵襲的治療はせず、内科的管理を継続していた。29歳時、誤嚥性肺炎、心不全増悪で入院した。退院を目標に呼吸器管理、胃瘻造設、訪問診療導入を行った。しかし、生活環境の変化に対する家族の受容が十分に得られなかった。退院後早期に病態は再増悪し、家族の希望により在宅管理が選択され、自宅で看取りとなった。
【考察】移行期早期から地域医療機関や成人診療科と連携し、生活圏内で継続可能な診療体制を構築することは患者および家族の負担軽減につながる。また、病態や予後を踏まえた将来を見据えた医療およびケア方針を、家族と医療者間で共有しておくことが重要である。
【結語】複雑な経過や多彩な合併症を有するT21患者では、成人期に安定した医療を提供するため、早期から計画的な移行期医療の構築が不可欠である。
【目的】当院で経験したT21合併の成人先天性心疾患2例の入院経過から、T21の移行期医療の問題点について検討する。
【症例1】21歳男性、不均衡型房室中隔欠損、右室低形成に対し生後1歳1カ月で一期的に心外導管によるTCPC術後。橋本病、腎機能障害、高尿酸血症を合併していた。21歳時、RSウイルス感染を契機とした蛋白漏出性胃腸症で入院した。頻回のアルブミン補充、利尿剤大量投与を行ったが、改善に時間を要した。当院が自宅から遠方であることや、主介護者の母親の体調不良を踏まえ、地域医療機関への転院を検討したが調整に難渋した。心外合併症の診療、有事対応可能な地域医療機関との連携を調整して自宅退院した。
【症例2】29歳男性、心室中隔欠損に対し、生後7カ月で心内修復後。僧帽弁裂隙に伴う弁逆流、肺高血圧、てんかん、行動障害を合併していた。13歳時に心房細動を発症し、僧帽弁逆流の増悪を認めたが、家族の意向で侵襲的治療はせず、内科的管理を継続していた。29歳時、誤嚥性肺炎、心不全増悪で入院した。退院を目標に呼吸器管理、胃瘻造設、訪問診療導入を行った。しかし、生活環境の変化に対する家族の受容が十分に得られなかった。退院後早期に病態は再増悪し、家族の希望により在宅管理が選択され、自宅で看取りとなった。
【考察】移行期早期から地域医療機関や成人診療科と連携し、生活圏内で継続可能な診療体制を構築することは患者および家族の負担軽減につながる。また、病態や予後を踏まえた将来を見据えた医療およびケア方針を、家族と医療者間で共有しておくことが重要である。
【結語】複雑な経過や多彩な合併症を有するT21患者では、成人期に安定した医療を提供するため、早期から計画的な移行期医療の構築が不可欠である。
