Presentation Information
[I-OR02-06]両方向性グレン術後の重症心不全に対して心臓移植をめざした二症例の経験
○浦田 晋1, 柴田 深雪2, 酒井 瞭1, 羽田 瑠美1, 石川 和1, 友保 貴博2, 三崎 泰志1, 金 基成1, 平田 康隆2, 小野 博1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.国立成育医療研究センター 心臓血管外科)
Keywords:
心臓移植,重症心不全,フォンタン
【背景】国内における小児心臓移植待機例のうち、EXCOR Pediatricを用いた補助人工心臓(VAD)管理例では先天性心疾患が約15%を占める。欧米では半数が先天性心疾患であることから本邦でも今後増加が予測される。特に両方向性Glenn術後(BDG)の重症心不全例では、Fontan手術を実施しVADを装着することが一般的であり、その管理には術後から特有の課題を有する。BDG後重症心不全症例でVAD管理を要した2症例を通じて、移植待機および移植適応の課題を検討した。【症例】<症例1> 月齢6にBDGを施行した左室型単心室の男児。房室弁逆流による心不全が遷延し、1歳9か月で他院でのBiofloat装着およびFontan (14mm導管)手術後に当院にてEXCOR装着となった。周術期脳梗塞による神経学的後遺症から発達遅滞と栄養障害を合併し、フォンタン循環不全が進行した。集学的治療を行ったが、装着36か月後に多臓器不全で死亡した。<症例2> 乳児期より心機能低下を認めた左心低形成類縁疾患の男児。月齢9にBDG後も心不全が遷延し、1歳5か月でEXCOR装着およびFontan (12mm導管)手術を施行した。難治性乳び胸や蛋白漏出性胃腸症を発症するも治療により寛解し、装着28か月後に心臓移植に至った。虚血時間は309分であったが下大静脈吻合部狭窄解除により手術時間が延長し、術後心機能低下のためECMO管理となったが心機能回復が得られず、術後32日目に死亡した。【考察】BDG後の重症心不全例では、Fontan手術後にVAD管理を行うことが予後を改善する。一方で、血栓形成による神経学的合併症や栄養障害、Fontan術後症候群の管理に難渋し、さらにその術式や経過が移植手術にも大きく影響する。すべての治療の周術期および遠隔期で合併症を起こさない管理が必要である。
