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[I-OR05-06]先天性心疾患の小児におけるQp/Qsを非侵襲的に予測するための、胸部X線画像と臨床的特徴を統合したマルチモーダル深層学習モデル
○下山 輝義1, 石井 卓1, 安齋 達彦2, 高橋 邦彦2 (1.東京科学大学 発生発達病態学分野, 2.東京科学大学 M&Dデータ科学センター 生物統計学分野)
Keywords:
AI,胸部X線,QpQs
【背景】胸部X線画像(CXp)を用いた人工知能(AI)による循環動態予測は、非侵襲的代替手段として検討されてきたが、小児におけるエビデンスは限られている。【目的】CXpに臨床的特徴を統合したマルチモーダルモデルを開発し、小児先天性心疾患(CHD)における肺体血流比(Qp/Qs)を推定する。【方法】2012年から2025年までに当院で心臓カテーテル検査を受けた患者を対象とした。CXp、年齢、体表面積(BSA)、生化学データ、Fick法で求めたQp/Qs値を使用し、畳み込みニューラルネットワークに基づくモデルにより、肺血流増加を伴う非チアノーゼ性CHD のQp/Qsが1.5以上か未満かの予測を、画像単独モデルと臨床的特徴を統合したモデルで比較した。各々のモデルの性能は、5分割交差検証を行い、平均精度および平均AUCを算出し評価した。【結果】270人の患者に対する311件の心臓カテーテル検査のうち、データ欠損例を除いた307件を解析対象とした。CHDが205件(心室中隔欠損症121件, 心房中隔欠損症80件, 動脈管開存症22件, 房室中隔欠損症6件)、冠動脈瘤合併の川崎病(QpQs正常のデータセットの一部として)が102件であった。画像単独モデルによるQpQs 1.5以上の予測精度は0.8145、AUCは0.9087であった。年齢統合時は精度0.8238、AUC 0.9252、BSA統合時は精度0.8534、AUC 0.9155と成績は向上した。生化学データ統合時も精度0.8306、AUC 0.9292と成績は向上した。勾配重み付きクラスアクティベーションマッピング解析で、画像単独モデルでは末梢肺動脈領域に注目していたが、臨床的データを統合すると、右室流出路および中枢肺動脈周囲に注目が移行した。【結論】小児は年齢や体格によってCXpの見え方が異なるため、画像データに臨床的特徴を加えることで、AIによるQp/Qs予測の精度が向上したと考えられた。AIモデルは臨床医の視覚的評価困難な領域を判断根拠として正確なQp/Qsを予測し、侵襲的検査の代替となる可能性がある。
