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[I-OR06-01]DCMRLがリンパ漏評価に有効であったFontan術後慢性期の難治性乳び胸の一例

山本 嵩1, 中野 裕介1, 星 颯太1, 船生 晴香1, 正本 雅斗1, 河合 駿1, 小柳 喬幸3, 佐藤 慶介2, 渡辺 重朗1, 井上 政則4 (1.横浜市立大学附属病院 心臓・小児循環器科, 2.静岡県立こども病院 循環器センター, 3.慶応義塾大学 医学部 小児科, 4.藤田医科大学 放射線医学教室)
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Keywords:

乳び胸,DCMRL,フォンタン術後

【背景】フォンタン術後の乳び胸は術後早期に多いが、静脈圧上昇やリンパ系の異常を背景として術後慢性期にも予後を左右する合併症になりうる。近年はリンパ系の動態によって、リンパ管異常の病態を把握する報告が増加しているが、特にガドリニウム造影剤を用いた動的造影MRリンパ管撮影(DCMRL)の臨床的有用性が注目されている。【症例】14歳女性、右室低形成を伴う両大血管右室起始症。4歳時にフォンタン手術を施行し、12歳時に乳び胸を発症した。内科的治療に抵抗性で、約3年にわたり、頻回な胸腔穿刺ドレナージを要した。鼠経リンパ節造影では、造影剤が正常胸管から静脈角に流入する所見を認めたが、乳び胸の原因特定には至らなかった。また、経肝的リンパ管造影では右胸腔内への造影剤流入を認めたため、同部位の塞栓を施行したが胸水量の減少は得られなかった。追加精査目的に、院内臨床倫理委員会の承認を得て、両側鼠径リンパ節穿刺による DCMRL を施行した。【結果】DCMRL では速やかな胸管の描出と静脈系への造影剤流入を認めた。その後も観察を続けると、これまで指摘できなかった異常リンパ管(1. 肝鎌状間膜周囲リンパから縦隔および胸腔へ流入する経路、2. 傍大動脈リンパ節から肺門部へ流入する経路)が描出され、乳び胸への関与が疑われた。1に対して選択的リンパ管塞栓を施行したところ、胸水量は著明に減少した。【考察】本症例では、DCMRL によりリンパ管異常の全体像を把握することが可能となり、他の画像評価では捉えにくかった治療適応箇所の同定につながった。ガドリニウム造影剤はリピオドール等の油性造影剤と比較して粘稠性が低く、末梢リンパ管の描出に有利な可能性が報告されている。ガドリニウムのT1短縮効果が濃度に比例しないことも末梢リンパ管の描出に有利に働く可能性がある。【結語】フォンタン術後慢性期の難治性乳び胸症例において、DCMRLはリンパ管治療の適応評価に有用であった。