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[I-OR08-02]先天性心疾患を合併した18トリソミーにおける姑息手術の成績とその意義
○水本 雅弘1, 落合 智徳1, 内田 徹郎1, 粟野 裕貴2, 松木 惇2, 鈴木 康太2, 須藤 陽介2 (1.山形大学 医学部 外科学第二講座, 2.山形大学 医学部 小児科学講座)
Keywords:
Trisomy 18,Congenital heart disease,Palliative surgery
【背景・目的】先天性心疾患を有する18トリソミーの1年生存率は10%未満と不良である。当院では姑息手術により自宅退院(在宅医療へ移行)できる可能性があり、家族から積極的な手術希望がある場合に姑息手術を施行してきたのでその成績について後方視的に検討した。【対象・方法】2006年1月~2025年12月までNICUへ入院した全18トリソミー35例のうち、先天性心疾患を合併した18トリソミー33例を対象とした。心疾患はVSD25例、DORV5例、AVSD2例、TAC1例であり全て高肺血流の血行動態であった。積極的に肺動脈絞扼術を行ったPAB群14例と行わなかったNon-PAB群19例について比較検討した。<PAB群(n=14)>主肺動脈絞扼術(mPAB)+PDA結紮13例,両側PAB1例(TAC)。手術日齢28(19-51)日、手術体重1693(1354-1924)g。左開胸5例、胸骨正中切開9例。mPAB周径(mm)は(BW+22.5)1例,(BW+22)2例,(BW+21)2例,(BW+20.5)2例,(BW+20)3例,(BW+18)3例,最終mPAB流速3.1(3.0-3.5)m/s。手術死亡なし、在院死亡2例(壊死性腸炎,重度低血糖)。【結果】Non-PAB群において在胎週数が短く(38週0日vs 36週6日)、出生体重が小さく(1763g vs 1610g)、Apgar score(3.5/6.5点vs 2.0/6.0点)も共に低い傾向であったが、有意差は認めなかった。自宅退院はPAB群11例(78.6%)に対してnon-PAB群2例(10.5%)であり有意にPAB群で高かった。長期予後の生存例はPAB群の1例のみ(現在4歳8ヶ月、他施設でVSD根治術施行)であるが、生存日数PAB群438(153-2524)日、non-PAB群23(2-269)日と有意な延長が得られ、また1年生存率も53.9%、11.8%と有意にPAB群で改善を認めた。【結語】姑息手術による18トリソミーの予後改善とは言い難いが、当科PABによる自宅退院率は約80%であり、生存日数の延長により家族と過ごせる貴重な時間の確保に寄与できたと考えられた。十分なインフォームドコンセントのもと、家族の希望を考慮し、症例毎の重症度や合併疾患に応じた治療方針の選定が重要である。

