Presentation Information
[I-OR09-01]術後先天性心疾患におけるHRVを用いたネットワーク解析:TOF・Fontanの自律神経評価
○岩原 可名人1, 高橋 健2, 秋谷 梓3, 東海林 宏道3 (1.順天堂大学 医学部 医学研究科 小児思春期発達・病態学, 2.順天堂大学 医学部附属浦安病院 小児科, 3.順天堂大学 医学部附属順天堂医院 小児科・思春期科)
Keywords:
HRV,ネットワーク解析,自律神経
【背景】複雑先天性心疾患術後症例では、近年心拍変動を用いた自律神経機能異常に関する研究が進み、生命予後に関与することが報告され始めている。心拍変動は従来の単一指標では調節機構全体の破綻を捉えきれない可能性があり、HRV指標間の関係性をネットワークとして評価する手法が注目されている。【方法】対象はNormal群、Fallot四徴症心内修復術後群(TOF)及びFontan術後群。睡眠6時間区間において、副交感神経活動を反映するSD1、自律神経調節全体の変動量を示すSD2、心拍変動の自己相似性を示すHFD、短時間の心拍変動調節の秩序性を示すDFAα1、心拍変動調節の構造的協調性を反映するトポロジー指標(H0)から部分相関ネットワークを構築し、各エッジの絶対値平均(MeanEdge)を自律神経ネットワーク結合度として算出した。MeanEdgeの群間比較を行った。群間差はノンパラメトリック検定を用いて評価し、指標間結合パターンの特徴も併せて検討した。【結果】TOF群40例(19.4±6.3歳)、Fontan群26例(20.3±6.3歳)及び正常群111例 (23.5±8.3歳。自律神経ネットワーク結合度は3群間で有意に異なり、Normal群はTOF群およびFontan群より高値を示したが、TOF群とFontan群の間には差を認めなかった。指標間結合パターンを可視化すると、Normal群では短期変動、長期変動、非線形指標が広範に連動したネットワーク構造を示したのに対し、TOF群およびFontan群では指標間結合の弱体化とネットワーク構造の疎化が認められた。【考察】TOF群およびFontan群では、自律神経機能が単に低下しているのではなく、HRV指標間の協調的な調節構造が破綻している可能性がある。本手法は、従来のHRV解析では捉えにくい自律神経調節異常を可視化する、新たな臨床的評価指標となる可能性がある。
