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[I-OR11-06]左冠動脈肺動脈起始症に対する治療成績の検討
○梅津 健太郎, 萩野 生男, 腰山 宏, 熊江 優, 花岡 優一 (千葉県こども病院 心臓血管外科)
Keywords:
左冠動脈肺動脈起始症,手術治療,心機能
【目的】当院におけるALCAPAの治療成績の検討。【方法】対象は2006年から2023年までに当院で手術を施行したALCAPA症例6例。手術時月齢、術前左室機能、MRの程度、術式、術後経過について診療録に基づき後方視的に検討した。【結果】 手術時月齢中央値は3ヵ月、体重4.9kg。術前心機能低下(LVEF<40%)5例。MR moderate以上3例。LCA起始部はleft-facing sinus内が5例(L-R交連寄り2例、L-N交連寄り3例)、交連より高位のpulmonary trunk 右側からの起始が1例。Right-facing sinus, Non-facing sinus内から起始している症例なし。RCA起始異常合併1例。LCA血行再建はすべて大動脈への直接移植(direct implantation)。Trap door法を基本とし、L-N交連寄りから起始している症例のうち2例はLCA cuffがAortaに届かず、spiral extension法、PT flapによるextension法を行った。MVPを3例併施。術後補助循環2例、二期的閉胸4例。再介入は、MVP後にMVRを要した症例1例、LCA再移植を要した症例1例。術後早期・遠隔死亡なし。術前、術後1ヶ月、術後1年における各パラメータの推移(いずれも中央値)はLVEDV(263, 134, 149%N)、 LVEF(36, 36, 55%)、BNP (2148, 449, 29pg/ml)。青年期に手術を行なった1例は術後遠隔期もLVEF 40%と不変であった。【考察】冠動脈直接移植が最も困難とされるnon-facing sinus起始のALCAPA症例を認めなかったが、自験例では直接移植が可能であった。ただし、RCA起始異常合併例ではLCA移植先にRCA起始部が干渉するため、RCA起始部をtrap doorとして使用する再手術を要した。症例ごとの移植方法・移植先の決定が肝要と考えられた。【結論】ALCAPAに対する手術治療は、正確な術前診断により冠動脈直接移植が可能となり、左室機能改善に寄与した。学童期以降の症例では術後も心機能改善を認めない症例があるため、早期手術が望まれる。
