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[I-P02-05]思春期に失神を繰り返すQT延長症候群2型に対してナドロールへの変更が有効であった2例

檜波田 真実, 関 満, 五味 遥, 松井 亮介, 横溝 亜希子, 古井 貞浩, 岡 健介, 佐藤 智幸, 田島 敏広, 小坂 仁 (自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科)
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Keywords:

先天性QT延長症候群,ナドロール,ビソプロロール

【背景】 先天性QT延長症候群2型(LQT2)は、覚醒時や精神的ストレスが致死的不整脈を誘発しやすい。β遮断薬はその選択性の違いがイベント抑制効果に影響を与えうる。今回、ビソプロロール服用下にイベントを繰り返し、ナドロールへの変更が奏効した思春期の2例を経験した。【症例1】 18歳男性。新生児期に心室頻拍(VT)を認め、出生後からプロプラノロール、メキシレチン内服を開始。遺伝子検査でLQT2と診断された。12歳時からビソプロロール(2.5mg/日)を開始。野球部に所属し、運動時の発作はなかったが、16歳頃から早朝の失神を繰り返した。安静時のQTc(B)は0.549秒であった。17歳時に長時間ホルター心電図にて覚醒直後のVTを認めたため、S-ICDの植え込みを考慮したが、本人の同意が得られず、ナドロール(30 mg/日)へ変更した。変更後のQTc(B)は0.461秒となり、以後イベントなく経過している。【症例2】 17歳女性。小学4年生の学校心臓検診を契機にLQT2と診断。11歳時からプロプラノロール (30 mg/日)を開始し、13歳からビソプロロール(2.5 mg/日)の内服に変更した。安静時のQTc(B)は0.521秒であったが、早朝や授業中に失神を認めた。17歳時に嘔気を伴う動機発作で救急要請、TdP、VT stormを来し集中治療管理となった。S-ICDを植込み、ナドロール(60 mg/日)へ変更した。変更後のQTc(B)は0.507秒であるが、以後発作は消失している。【考察】 LQT2では交感神経活動、特にβ2刺激を介した再分極遅延が不整脈誘発に深く関与する。ナドロールは非選択性β遮断作用に加え、弱いNaチャネル遮断による膜安定化作用を併せ持ち、また、長い半減期による安定した血中濃度維持と強力な最大心拍数抑制効果は早朝覚醒時や精神的緊張でのイベントに対して奏効したと考えられた。【結語】 不整脈イベントを認める思春期LQT2症例におけるナドロールへの変更は有効な選択肢と考えられる。