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[I-P02-07]Brugada症候群の家族歴を有する心電図正常小児への対応―SCN5A関連オーバーラップ症候群を念頭に―

山本 英範, 鈴木 謙太郎, 松本 一希, 朱 逸清, 佐藤 純, 大橋 直樹 (名古屋大学病院 小児循環器センター 小児科)
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Keywords:

先天性QT延長症候群,Brugada症候群,SCN5A

【緒言】SCN5A(NM_000335.5)は、機能喪失型変異によりBrugada症候群や洞機能不全を、機能獲得型変異により先天性QT延長症候群(long QT syndrome:LQTS)type 3を発症する。なかでもp.Glu1783Lysは、機能獲得型・喪失型の双方の特徴を併せ持つ、いわゆるオーバーラップ症候群の病因バリアントとして知られている。このたび、来院時心電図は正常範囲内であったが、家族歴聴取を契機にSCN5A関連オーバーラップ症候群の遺伝学的診断に至った症例を経験した。
【症例】発端者は生来健康な10歳女児。学校心臓検診でQT延長を疑われて受診したが、来院時心電図の安静時・運動負荷後QTc(F)はそれぞれ423ms・410msであり、当初、LQTSは否定的と考えられた。しかし、父がBrugada症候群と診断されており、さらに父家系に洞機能不全や突然死の家族歴が確認された。SCN5A関連オーバーラップ症候群の可能性を考慮してホルター心電図を施行したところ、睡眠中のQTc(F)は最大550 msと著明に延長し、交代性T波も確認された。遺伝カウンセリングを経て遺伝学的検査を行ったところ、本児と父にSCN5Aのp.Glu1783Lysがヘテロ接合性に確認された。現在、心電図異常を指摘されたことのない他の血縁者に対しても精査を進めている。
【考察】安静時心電図でQT延長が顕在化しないLQTSは稀ではなく、運動負荷心電図によるスクリーニングが一般的に行われている。現行ガイドラインではホルター心電図は必須検査には位置づけられていないが、LQTS type 3が疑われる症例では睡眠中のQTc延長を評価するために極めて有用である。本症例のように、来院時心電図に明らかな異常所見を認めなくとも、家族歴からSCN5A関連オーバーラップ症候群を否定できない場合には、積極的にホルター心電図を施行すべきと考えられる。さらに、家族内にSCN5A病的バリアントが確認されている場合には、心電図異常の有無にかかわらず遺伝学的検査の実施も検討されるべきである。