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[I-P03-05]胎児期に発症した左室脚枝心室頻拍の新生児例
○橋本 礼佳, 小山石 隼, 三浦 文武, 嶋田 淳, 北川 陽介 (弘前大学 医学部 小児科)
Keywords:
心室頻拍,ベラパミル感受性,左室後枝起源
【緒言】胎児・新生児期の頻脈性不整脈の多くは上室性頻拍(SVT)であり、心室頻拍(VT)は非常に稀である。なかでも左脚後枝が起源のVTは少数であり、SVTと類似した心電図所見を呈することから鑑別が難しいことがある。また、出生後の発症時期にも幅がある。【症例】在胎37週に約200bpmの胎児頻拍を指摘された。胎児心エコーでは房室解離は認めず、心房・心室収縮は1:1でありSVTが疑われた。胎児心不全徴候はなく、以降38週に当院で出生するまで頻拍は確認されなかった。出生後の心エコーでは基礎疾患は認めず、不整脈なく経過し退院を検討していたが、日齢5に突然200bpmの頻拍が出現した。頻拍時のQRS幅は90msと狭く、short RP’型の逆行性P波を伴っていたためSVTと考えATPを投与したが、房室ブロックは出現せず無効であった。ジソピラミドも無効であり、再度ATPを投与した際に房室解離が確認されVTと診断した。洞調律時のQTcは正常範囲であり、先天性QT延長症候群の家族歴もなかった。VTは右脚ブロック型・上方軸を呈し、左脚後枝起源のベラパミル感受性VTが示唆されたが、新生児でありベラパミルは投与しなかった。ランジオロール持続静注で心拍数は低下したがVTは持続し、日齢7に洞調律へ復帰後もVTを反復した。循環動態は安定しており、フレカイニドとビソプロロールの内服を開始し、ランジオロールは漸減中止した。以降VTの頻度は減少し、日齢30以降は再発なく経過している。【考察】本症例では胎児期より頻拍が指摘されていたが、房室解離は認めず、出生後も狭いQRS幅と室房伝導による逆行性P波を伴っていた。そのため心電図所見はSVTと類似し、診断に難渋した。胎児・新生児期の頻拍の多くは上室性であるが、稀にVTも存在し、VTの可能性を念頭に置いた評価と診断が必要である。また、今回のように一度VTが消失しても、出生後時間をおいて再度出現する例もあり、出生時に頻拍がなくとも慎重な経過観察が必要である。
