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[I-P03-08]フレカイニド投与後に頻拍コントロールに難渋したWPW症候群の一例
○小林 優, 西林 隼人, 萩尾 泰明, 塩穴 真一, 岡成 和夫, 原 卓也 (大分県立病院 小児科)
Keywords:
WPW症候群,房室回帰性頻拍,フレカイニド
【背景】乳児の上室頻拍の多くは房室回帰性頻拍(AVRT)である。潜在性WPW症候群では副伝導路の順行伝導が抑制されている一方、逆行性伝導は保持されており、房室結節と副伝導路によるリエントリー回路を基盤として頻拍が成立する。このような症例では、副伝導路の順行性不応期が相対的に長い場合、心拍数のわずかな変化を契機にリエントリー回路が成立し、頻拍が誘発されうる。今回AVRTに対するIc群抗不整脈薬(フレカイニド)投与が副伝導路の伝導特性に影響し、頻拍コントロールに難渋したと考えられる乳児例を報告する。【症例】3か月女児。予防接種時に心拍数280/分の narrow QRS頻拍を指摘され、ATP投与で一旦停止した。洞調律ではデルタ波を認めず潜在性WPW症候群が示唆された。β遮断薬導入後も2週毎に再発し、経口フレカイニドを導入した。経口フレカイニドを100mg/m2/日まで増量したが再発を繰り返した。6か月時、ATP投与後にT波直後の逆行性P波(エコービート)を伴い即時再発を認め、静注フレカイニドでは頻拍停止と同時に著明なQTc延長を認めた。このため経口フレカイニドの増量は断念した。10か月時、薬剤抵抗性のためDC施行した。13か月時に一方向性ブロックを助長している可能性を考慮し、経口フレカイニドを減量したところ、洞調律でデルタ波が顕在化した。以後、頻拍発作回数は減少し、発作時もATP投与で速やかに停止した。2歳時点でデルタ波は消失せず、頻拍発作を認めていない。【考察】フレカイニドが副伝導路の伝導特性を修飾し、一方向性ブロックを助長することで、リエントリー回路の成立を促進していた可能性が示唆された。【結論】潜在性WPW症候群を伴う乳児AVRTにおいて、フレカイニドは副伝導路の伝導特性に影響し、かえって頻拍コントロールを困難にする場合がある
