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[I-P04-04]深呼吸負荷で再現性が確認された異型房室Wenckebach周期の男児例について

佐藤 工, 佐藤 啓 (弘前総合医療センター 小児科)
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Keywords:

異形Wenckebach周期,房室結節2重伝導路,深呼吸負荷

【緒言】房室Wenckebach周期の典型例は、一般にPR間隔が徐々に延長し、RR間隔は徐々に短縮して最後にP波がブロックされるが、非典型例も少なくないことが知られている。今回我々は、反復するpresyncopeの精査中、ECGで非典型的な房室Wenckebach周期を認め深呼吸負荷によって再現性が確認された症例を経験し、呼吸に関連した迷走神経緊張度や機能的に縦解離した房室結節2重伝導路によって臨床心電学的に解釈可能と考えられたので報告する。【症例】11歳、男児。就学後から複数回のpresyncopeの既往があり、今回飲食店で料理を待っている間に気分不快となり、床に倒れたため救急搬送された。完全な意識消失やけいれんはなかった。安静時ECGでは、4:3伝導比以上の複数のWenckebach周期で、房室ブロック(AVB)直前の最終RR間隔はその直前のRR間隔より全て0.04秒延長していた(variant I、Kinoshita S et al. J Electrocardiol 20:272-279,1987)。3分間連続記録では、連続2拍のRR間隔が0.04秒短縮した後に突然PR間隔が0.22秒から0.44秒に延長し29秒間持続後再びPR間隔が短縮した(variant III)。ホルター心電図でも、睡眠中にvariant Iが頻発していた。呼吸による影響を確認するため深呼吸負荷を実施したところ、吸気時にvariant IIIが、呼気時にvariant Iを認めた。後日実施した新起立試験にて起立後遷延性低血圧と診断し、メトリジン開始後presyncopeは改善している。【結語】本症例では、吸気時に迷走神経緊張が低下し、RR間隔の短縮に伴い房室結節2重伝導路の不応期が長いfast pathwayがブロックされ、不応期の短いslow pathwayを伝導したことでPR間隔の著明な延長を来したことが示唆される。異形Wenckebach周期は、Mobitz2型AVBや高度AVBと厳密に鑑別すべきであり、深呼吸負荷は迷走神経緊張度による影響を評価する上で簡便かつ有用である。