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[I-P04-08]先天性QT延長症候群にプロピオン酸血症を合併しベータ遮断薬の予防を行った症例

馬場 俊輔, 大川 佑花, 橘高 恵美, 古河 賢太郎, 伊藤 怜司, 大石 公彦 (東京慈恵会医科大学附属病院 小児科学講座)
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Keywords:

QT延長症候群,プロピオン酸血症,β遮断薬

背景:QT延長症候群(LQTS)は多源性心室頻拍を引き起こす可能性のある致死的な疾患である。LQTSは先天性と二次性に分類され、特に二次性LQTSの経過の報告は少ない。プロピオン酸血症はKチャネルポンプ機能異常によりLQTを引き起こし、新生児マススクリーニングにより軽症例の診断も増加している。今回、先天性QT延長症候群にプロピオン酸血症を合併しβ遮断薬の予防を行った症例を経験し、当院のプロピオン酸血症5症例とともに経過を報告する。症例:43歳の女性。生後1か月時に体重増加不良、代謝性アシドーシスを認めるも原因不明、1歳時にプロピオン酸血症の診断、その後他院外来通院となっていた。6歳、15歳、16歳、20歳時に運動中の失神を認めたが各検査で異常所見を認めず、36歳時より定期的に心電図検査が施行され、補正QT時間は460-500msと少しずつ延長を認めていた。40歳時に当院受診、プロピオン酸血症に対する遺伝子検査で、PCCA遺伝子異常(c.229C>T, p.A77T/c.923dup, p.L308PhefsTer35)を認めた。同時に補正QT時間443-520msを認め、LQTSの精査目的で施行した遺伝子検査で、KCNQ1遺伝子異常(c.523G>A, p.Ala178Thr)を認め、β遮断薬の予防を開始し現在まで致死性不整脈を認めていない。当院でフォローするプロピオン酸血症症例は肝移植を要した最重症2症例と、内服薬のみで外来通院中の軽症3症例であり、それらの症例のQT時間は、その原疾患の重症度と関連のない傾向を認めた。考察:今回、先天性LQTSにプロピオン酸血症を合併した症例を経験した。本症例は遺伝的背景に加えQT時間を延長させる二次性要因が加わることで更にQT時間は延長し、TdPリスクが高い症例だがβ遮断薬のTdP予防効果を示唆した。またプロピオン酸血症の重症度とQT時間に有意な関連を認めなかった。結論:二次性LQTSの患者は先天性LQTの合併によりTdPリスクが増大すると考えられ注意が必要である。