Presentation Information

[I-P05-04]薬物療法に難渋しスマートウォッチによるモニタリングが有用であった、頻脈誘発性心筋症を合併した左室起源特発性心室頻拍の乳児例

酒井 瞭1, 浦田 晋1, 石川 和1, 羽田 瑠美1, 三崎 泰志1, 金 基成1, 福永 英生2, 萩原 教文3, 小野 博1 (1.国立成育医療研究センター 循環器科, 2.順天堂大学医学部附属順天堂医院 小児科・思春期科, 3.帝京大学医学部附属病院 小児科)
PDF DownloadDownload PDF

Keywords:

左室起源特発性心室頻拍,頻脈誘発性心筋症,不整脈

【背景】左脚後枝領域のリエントリー性心室頻拍はベラパミル感受性が知られるが無効例も存在する。乳児期発症の難治性左室起源心室頻拍を過去に報告の少ないスマートウォッチを用いて管理した乳児例を報告する。【症例】4ヶ月、体重6.9 kgの女児。朝からの哺乳不良・嘔吐で前医受診し、心拍数240 bpmの頻脈と左室駆出率20%の心収縮能低下を認め当院搬送となった。右軸偏位、左脚ブロックのQRS波形を伴う心室頻拍を認めた。循環不全のためカルディオバージョン、アデノシン三リン酸(ATP)、アミオダロン、プロカインアミド静注を使用したが無効で、ベラパミル静注も徐拍化のみで心室頻拍停止には至らなかった。頻拍は一度生じると数時間から数日間持続し、自然頓挫と再発を繰り返した。一度のみベラパミル併用下のATP投与で洞調律化が得られたが、再現性がなかった。ビソプロロールとフレカイニドの内服で一定期間の洞調律化が得られ心機能も改善したが、入院69日目に抗不整脈薬の副作用疑いのTorsades de pointesが出現し心肺蘇生を要した。β遮断薬をナドロールに変え、フレカイニド血中濃度を厳密に管理したが、短時間で自然に停止する心拍数150 bpm台の頻拍を認めた。再発時の早期発見のため、家族への聴診指導とともにスマートウォッチ(Apple Watch Series 10)での管理を試みた。ベルトは付属のものを用い、児の大腿部にベルトを固定し、本体裏面を大腿外側に密着させた。非発作時・発作時ともに心拍測定が可能であった。内服継続と定期的な心拍数測定を行い、入院135日目に退院した。電気生理学的検査やアブレーションも視野に外来管理中である。【結論】難治性左室起源特発性心室頻拍の乳児に報告例の少ないスマートウォッチを用いて管理し、ナドロールとフレカイニドの内服で発作の徐拍化を達成した。