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[I-P05-09]NKX2.5新規変異を同定した家族性心房中隔欠損症と房室伝導障害を呈する1家系
○高瀬 隆太, 小竹 由, 大津 生利衣, 山川 祐輝, 清松 光貴, 鍵山 慶之, 寺町 陽三, 渡邊 順子, 須田 憲治 (久留米大学 医学部 小児科学講座)
Keywords:
家族性心房中隔欠損症,NKX2.5,遺伝カウンセリング
【背景】NKX2.5は心臓形成と刺激伝導系の発達を制御する転写因子であり、ヘテロ接合性変異は家族性心房中隔欠損症(ASD)に進行性房室伝導障害(AVB)を合併する表現型をとることが報告されている。今回、濃厚な家族歴を契機に遺伝学的検査を施行し、新規NKX2.5変異を同定した1例を報告する。【症例】9歳女児。兄弟でASDが指摘されており、5歳時の精査で最大径9.0mmの多孔性ASDを認めた。9歳時に経皮的心房中隔欠損閉鎖術(Tc-ASD)を施行し、術後経過は良好であった。父にAVBを伴う心疾患の既往があり、兄姉もASDを有することから遺伝学的検査を行い、NKX2.5新規ヘテロ接合性変異を認めた。その後の精査にて、ホルター心電図で一過性の2度房室ブロック(Wenckebach型)を確認した。家族歴:父(39歳)は中学心臓検診で心電図異常を指摘され、その後、進行する大動脈弁閉鎖不全と2度AVB(Wenckebach型)を認めた。就労後、通院中断となっていたが、26歳時に感染性心内膜炎を契機に大動脈弁閉鎖不全が顕在化し、大動脈弁置換術を施行されている。兄(16歳)は3歳時に心拡大からASDと診断され、7歳時にパッチ閉鎖術を施行されている。姉(15歳)は胎児期より右室低形成および左室心筋緻密化障害を疑う所見を指摘され、6歳時に多孔性ASDに対しTc-ASDを施行されている。【考察】NKX2.5変異に伴う表現型は多様で不完全浸透を示し、進行性の伝導障害を来すため、継続的評価の重要性が報告されている。本例ではAVBを早期に把握できたが、今後、伝導障害が顕在化・進行する可能性がある。遺伝学的検査は診断確定に加え、生涯にわたるフォローアップ方針の策定、未発症血縁者の段階的スクリーニング、将来の遺伝性に関する情報提供を含む遺伝カウンセリングの基盤として有用である。遺伝情報を軸に家族全体の長期健康管理を組み立てることが重要である。
