Presentation Information
[I-P06-01]末梢肺動脈狭窄を伴うファロー四徴症に対する肺動脈形成法と結果
○岩城 隆馬, 松久 弘典, 松島 峻介, 東田 昭彦, 久保 沙羅, 草木迫 充 (兵庫県立こども病院 心臓血管外科)
Keywords:
ファロー四徴症,肺動脈形成,肺動脈狭窄
【背景】ファロー四徴症(TOF)に合併する末梢肺動脈狭窄は多様な形態を呈し,単純なパッチ拡大のみでは十分な狭窄解除が得られない場合がある。当院では術前評価にて末梢肺動脈狭窄の形態を検討,より末梢まで形成が必要と判断した症例,あるいは左肺動脈長が余剰で入口部の屈曲解除を要する症例に対し,肺動脈を離断しパッチ形成や入口部形成を施行,残存狭窄予防を図っている。【方法】2015~2025年にTOFに対する心内修復術に併施して末梢肺動脈形成を行った21例を検討した。形成は両側11例,左6例,右4例であった。肺動脈分岐部で離断し形成した症例は4例,左肺動脈を離断し形成した症例は8例であり,うち3例は入口部屈曲解除を目的とした。末梢低形成症例では上葉枝分岐部を越えて下面を拡大,その他は前面を拡大した。左肺動脈離断例では全例sliding plasty(大嶋法)で入口部の屈曲を予防した。【結果】心内修復術施行時の月齢は9か月(6-22か月),体重は8.2 kg(5.1-12.3 kg)。形成を要した肺動脈径(最狭部)は,全例で右5.0 mm(3.2-6.1 mm,Z score -1.86[-0.76~-3.53]),左4.7 mm(2.2-7.3 mm,Z score -2.11[-0.79~-4.39])。肺動脈離断例では,右5.0 mm(3.3-5.4 mm,Z score -2.12[-1.47~-3.53]),左4.7 mm(2.2-5.7 mm,Z score -2.11[-1.26~-4.39])であった。術後在院死亡および重篤な合併症を認めなかった。退院時エコーでの肺動脈血流速度は,全体で右1.7 m/s(1.2-2.76 m/s),左1.79 m/s(1.43-3.26 m/s)であり,1例に左肺動脈バルーン拡大を要した。肺動脈離断例では,右1.69 m/s(1.2-1.9 m/s),左1.8 m/s(1.43-2.5 m/s)と有意狭窄は認めなかった。【結論】TOFに伴う末梢肺動脈狭窄に対し,肺動脈を離断した上で十分に末梢まで拡大形成を行う手技は,狭窄残存を抑制し,安全かつ有効な肺動脈狭窄解除法となり得る。
