Presentation Information
[I-P06-08]乳児期に段階的に二心室修復を行った巨大憩室を伴う右室低形成症候群の一例
○川合 玲子1, 片山 雄三2, 磯部 将2, 日根 幸太郎3, 増本 健一3, 高月 晋一1 (1.東邦大学医療センター大森病院 小児科, 2.東邦大学医療センター大森病院 心臓血管外科, 3.東邦大学医療センター大森病院 新生児科)
Keywords:
心臓憩室,右室低形成症候群,外科治療
【背景】心臓憩室は心腔圧排、不整脈、塞栓症の原因となることがある稀な疾患であるが、乳児期に循環動態が破綻し外科介入を要する症例の報告は少ない。今回先天性心臓憩室、心腔圧排に伴う右室低形成のため出生時からチアノーゼを認めたが、段階的に二心室修復を行った一例を報告する。【症例】11か月女児。胎児期より心疾患を指摘され、在胎37週2日、出生体重 2104g、双胎第2子として出生した。出生後に巨大憩室による右室圧排、ASD(右左短絡優位)、small VSDの診断となり、出生直後の室内気でのSpO2は85%だった。出生後に憩室内腔が増大傾向となり、日齢14に啼泣を契機とした高度チアノーゼ、呼吸不全のため人工呼吸器管理となった。憩室は心臓前面に位置し、右房と大きく交通し、四腔断面像で1.88cm2で右室漏斗部を圧排していた。三尖弁弁輪径 4.8mm(39% of normal)、肺動脈弁輪径 4.3mm(61% of normal)、右肺動脈 2.3mm、左肺動脈 2.2mm、左室短軸で中隔の奇異性運動を認めた。姑息術として、生後1か月時に憩室入口部閉鎖、ASD拡大術、右腕頭動脈―主肺動脈シャントを施行した。術中所見で、右房側11×9mmの憩室との交通に加えて右室側にも小さな2つの交通孔を認めた。生後10か月の評価で三尖弁弁輪径は 15mm(99% of normal)と発育し逆流は軽度だった。右室のtrabecular portionの発育が不良であったがサイズは20ml (119% of normal)と正常相当に発育し、PA indexは194mm2/m2であった。術中に三尖弁に15mmのサイザー通過及び弁尖異常のないことを確認し、4mmの心房間交通を残した二心室修復となった。術後のSpO2は96%で周術期合併症なく退院した。【結語】出生時の右室が低形成でも、憩室による圧排を解除することで右室が成長し、二心室修復を見込める可能性がある。
