Presentation Information

[I-P07-04]肺動脈壁ロールを用いた大動脈弓再建を行った大動脈弓離断症の2例

森山 航, 岡 徳彦, 金子 政弘, 松永 慶廉 (自治医科大学 とちぎ子ども医療センター 小児・先天性心臓血管外科)
PDF DownloadDownload PDF

Keywords:

大動脈弓離断症,肺動脈壁ロール,術後吻合部狭窄・拡張

【背景】大動脈弓離断症/心室中隔欠損症(IAA/VSD)の弓部再建では、吻合間距離が長い場合にretroaortic spaceが狭小化し、術後の気管支狭窄や肺動脈狭窄を合併して呼吸管理が遷延することがある。当院では術前Viewtifyを用いて立体画像を構築したのち、大動脈弓と下行大動脈の最短距離を計測し、20mm以上では主肺動脈壁ロールを用いた再建を選択している。今回その有用性を2例で検討した。【症例】症例1:月齢1女児。IAA type B/VSD。日齢3に両側肺動脈絞扼(Bil.PAB)後、体重増加を待ち大動脈弓再建を施行した。症例2:月齢1男児。IAA type A/VSD。日齢4にBil.PAB後、大動脈弓再建を行った。【術式】人工心肺下、循環停止・選択的脳灌流で施行。心停止後に主肺動脈壁を採取しロール状に形成。下行大動脈遮断後、ロール末梢側を下行大動脈へ吻合し、弓部小湾側を切開してロール中枢側を吻合した。肺動脈欠損部は自己心膜で補填した。【術後経過】両例とも開胸管理下にPICU入室した。症例1は術後3日閉胸、術後7日抜管し術後54日退院した。退院前の造影CT検査では吻合部狭窄・拡張、気管狭窄は認めなかった。11か月時に心内修復術施行し現在も外来経過観察継続中である。症例2は術後5日閉胸、術後9日抜管し術後53日退院した。退院前の心エコー検査では吻合部狭窄・拡張を認めなかった。現在心内修復術待機中である。【考察】肺動脈壁ロールは吻合間距離を無理なく補い、retroaortic spaceを確保することで気管・肺動脈狭窄の回避が期待される。一方、肺動脈形成部の成長や吻合部の遠隔期狭窄・拡張など長期予後は不明であり、継続的な追跡が必要である。【結語】吻合間距離が長いIAA/VSDに対し、主肺動脈壁ロールを用いた大動脈弓再建で周術期に吻合部狭窄・拡張や、気管・肺動脈狭窄を認めず良好な経過を得た。本術式は当該症例に対する再建オプションの一つと考えられた。