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[I-P13-01]大動脈弓離断複合を合併したcomplete DiGerorge症候群の治療経験
○井上 聡1, 池田 和幸1, 飛鳥 暉昌1, 西川 幸佑1, 河井 容子1, 梶山 葉1, 小田 晋一郎2 (1.京都府立医科大学 小児科, 2.京都府立医科大学 小児心臓血管外科)
Keywords:
完全型DiGeorge症候群,大動脈急離断複合,細胞性免疫不全
【背景】DiGeorge症候群 (DGS) は染色体22q11.2の微細欠失を基盤として胸腺形成異常による細胞性免疫不全・先天性心疾患・低カルシウム血症を発症する. DGSのうち約1%は胸腺組織が完全に欠損する完全型DGSとされ, 重度のTリンパ球減少から致死的な免疫不全を呈し得る. 我々は重症免疫不全の精査中に大動脈弓離断複合 (IAA) を伴う完全型DGSを診断し, 免疫不全およびIAA双方に対する治療介入を行ったので報告する.【症例】日齢14女児. 近医産婦人科で出生し退院後, 入院中に提出された新生児拡大マススクリーニングで重症複合免疫不全の疑診となり精査のため当院を紹介受診した. 血液検査でT細胞欠損と低カルシウム血症が判明し, またチアノーゼがありIAA (B型) と診断した. FISH検査で22q11.2の微細欠失を認め完全型DGSと確定診断した. 免疫不全のため早期の造血細胞移植 (HCT) が必須であったが, HCTに先立ち血行動態の安定化が必要と判断し, 両側肺動脈絞扼術・動脈管ステント留置を先行させた. 術中所見から胸腺無形成が判明した. 術後血行動態安定と創治癒を待ち, 感染予防施行下でHLA完全一致のHCTに踏み切り, 移植後2週間で生着を確認した. 移植後は静注薬から離脱でき心疾患に対する次期手術待機中である.【考察】先天性心疾患を合併する完全型DGSでは生後早期に心疾患・免疫不全双方の治療介入が必要となるが, 両疾患それぞれの治療時期および順序が重要で, また細胞性免疫不全のため周術期管理に特別の配慮を要する. 本症例では, 小児循環器医, 小児心臓外科医のほか関係診療分野の各専門医による集学的な治療方針の検討を行い, 心疾患に対する姑息術を先行させることにより, 安定した血行動態でHCTに向かうことができた. 一方で完全型DGSは生命予後が決して良くないと報告されている点も, 方針決定にあたり念頭におく必要がある. 本邦において同様の治療経験は少なく, 今後多施設での治療経験の集積が望まれる.
