Presentation Information
[I-P14-09]高度徐脈を契機に診断されたSCN5A遺伝子変異を伴う小児左房粘液腫の一例
○江崎 大起1, 長友 雄作1, 田中 惇史1, 寺師 英子1, 平田 悠一郎1, 松岡 良平1, 城尾 邦彦2, 安東 勇介2, 塩瀬 明2, 山村 健一郎1 (1.九州大学病院 小児科, 2.九州大学病院 心臓血管外科)
Keywords:
左房粘液種,SCN5A,不整脈
【背景】左房粘液腫は成人に多い良性心腫瘍で心内閉塞や腫瘍塞栓をきたす。今回、高度徐脈を契機に発見された小児左房粘液腫の1例を経験した。【症例】12歳女児。一過性の頭痛、意識障害、嘔吐あり。心拍数36 bpmの接合部調律でP波がなく洞停止が疑われた。心エコーで心室収縮は良好だが心房収縮はなく、左房中隔に可動性の高い20mm程度の腫瘤を認めた。凝固異常や炎症反応はなく頭部MRIで脳梗塞はなかったが、腫瘍は塞栓リスクが高く、準緊急的に腫瘍摘出術を行い、病理で左房粘液腫と診断した。術前に経皮的心房刺激で房室伝導に問題がないことを確認し、術中に右房に心外膜リードを留置したが、ペーシングできず、心房静止の状態であった。術後もペーシング不全や心房細動が見られたが、2週頃から閾値が安定し洞調律も出現した。洞停止、心房静止の原因検索を行ったところ、既報の機能喪失型変異SCN5A:c.3823G>A(p.Asp1275Asn)を本人と父に同定した。【考察】本症例の洞停止および心房静止は、SCN5A遺伝子変異によると考えられた。本変異はSSSやDCMの原因として報告され、将来的な心機能低下や不整脈発症に備えた慎重な経過観察が必要である。粘液腫の合併報告はないものの、洞停止が急性に顕在化した契機となった可能性は否定できない。小児における洞停止、心房静止と粘液腫の併存は極めて稀であり、本症例は両病態の関係性や小児徐脈症例の鑑別診断を考える上で貴重な報告と考える。
