Presentation Information
[I-P15-04]二次救急から三次救急への迅速連携で救命し得た急性心筋炎4例
○村岡 衛1, 丸谷 健太朗2, 菊野 里絵2, 川口 直樹1, 福岡 將治1, 鈴木 彩代3, 連 翔太3, 白水 優光3, 倉岡 彩子3, 永田 弾1,2 (1.福岡市立こども病院 循環器集中治療科, 2.福岡市立こども病院 集中治療科, 3.福岡市立こども病院 循環器科)
Keywords:
心筋炎,救急,ECMO
【背景】当院は福岡市における二次救急の中核を担っており、補助循環管理を要する症例に対しては三次施設である大学病院と連携してその診療にあたっている。急性心筋炎は急激な循環破綻や致死性不整脈を来し、短時間で心停止に至りうるため早期診断と迅速な補助循環導入が予後を大きく左右する。本研究の目的は、当院における急性心筋炎の初期対応の現状を明らかにすることである。【方法】2015年1月から2025年12月に当院救急外来にて診断された急性心筋炎4例について、臨床像、初期対応および転帰を後方視的に検討した。【結果】対象は年齢中央値8歳(1か月-14歳)の4例で、全例女児であった。時間外受診は3例(75%)であり、1例はwalk-inでの受診であった。主訴は嘔吐・哺乳不良など非特異的症状が3例(75%)、意識障害が2例(50%)であった。来院時に不整脈を認めた症例は3例(75%)で、うち2例は完全房室ブロック(CAVB)を呈していた。CAVBの2例はいずれも末梢循環は維持され、心エコー上心機能は保たれていた。1例は当院でペーシングカテーテルを留置後に三次病院へ転院した。もう1例はドパミン投与下に三次病院へ転院後、緊急でペーシングカテーテルを留置された。残る2症例は当院の救急外来で心停止に至り、いずれも心肺蘇生およびアドレナリン投与下に三次病院へ搬送され、緊急ECMO導入となった。2例とも来院時に重度の末梢循環不全と代謝性アシドーシスを認め、心エコーで高度心機能低下がみられた。全4例の当院救急外来の滞在時間は中央値63分(50-109分)であった。ECMO導入は2例(導入期間平均8.5日)で、全例軽快退院した。【結語】当院で経験した4例では時間外受診が多く、2例は救急外来で急変した。劇症型心筋炎は非特異的症状で来院し救急外来で急変し得る。初療時点での「疑う」視点、迅速な心エコー評価と補助循環の導入判断、集中治療・搬送先を含めた院内外連携の標準化が重要である。
