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[I-P16-01]多発性嚢胞腎に伴い乳児期早期に拡張型心筋症様病態を呈した一例
○谷村 駿介, 石田 秀和, 皇甫 奈音, 末廣 友里, 馬場 達也, 林田 由伽, 長野 広樹, 加藤 温子, 石井 良, 成田 淳 (大阪大学大学院 医学系研究科 小児科学)
Keywords:
拡張型心筋症様病態,常染色体潜性多発性嚢胞腎,二次性心筋症
【背景】乳児期の心不全には特発性拡張型心筋症(DCM)のほか、腎疾患や高血圧に続発する二次性心筋症が存在するが、鑑別に苦慮するケースがある。【症例】生後3か月女児。出生後の心エコーで異常なく、1か月健診でも体重増加や理学所見に異常を認めなかった。生後3か月で哺乳不良、嘔吐、活気不良を呈し、前医で心拡大および心収縮低下、腎腫大を指摘され当院へ転院となった。転院時心エコーで左室拡大とともに中等度の僧帽弁閉鎖不全を認め、左室駆出率は24%で、NTproBNP 131,821 pg/mLであった。収縮期血圧は100~110mmHg台と月齢に比して高値であり、腎疾患および高血圧に続発する二次性心筋症の可能性を考慮して腹部エコーを実施したところ、両側の著明な腎腫大と微細嚢胞を認め、常染色体潜性多発性嚢胞腎(ARPKD)が疑われた。鎮静薬、ミルリノン、カルペリチド、利尿薬、ACE阻害薬投与により血圧低下を図り、80mmHg程度にコントロールしたが短期的な心機能改善は見られず、現時点で集中治療管理を継続している。ARPKDの原因遺伝子とともに心筋症の原因遺伝子の検索も現在行っている。【考察】本症例では、前医での腎腫大の指摘から当科転院時より速やかに小児腎臓科医にコンサルトし、迅速に検査および診断に繋げることができた。多発性嚢胞腎と高血圧を伴うことから二次性心筋症と考えているが、現時点では原発性DCMの併存も否定はできない。DCM病態を呈する二次性心筋症に対する知識と理解が必要だと感じた症例であった。【結語】乳児期発症のDCM様病態において、ARPKDの鑑別を念頭に置くことも重要である。
