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[I-P16-04]VSD術後残存する左室拡大と遠隔期右室収縮能低下により診断したDCMの1例
○中村 蓉子, 渡邉 友博, 高井 詩織, 渡部 誠一 (総合病院 土浦協同病院 小児科)
Keywords:
DCM,心内修復術後,右室収縮能低下
【背景】拡張型心筋症(以下DCM)は左室拡大と左室収縮能障害を特徴とし,びまん性の収縮障害を引き起こしうる異常な負荷状況(高血圧や弁膜症)および冠動脈疾患の合併がない疾患群と定義される.今回心室中隔欠損症(以下VSD)術後に左室拡大が残存したが左室収縮能は保たれ,遠隔期に右室収縮能低下を認め,DCMと診断した症例を経験したので報告する.【症例】症例は19歳男性.新生児期に膜様部のVSD(欠損孔6mm)と診断し,嗄声と体重増加不良を認めたため,生後4か月時に心内修復術を施行した.術後の体重増加は良好で発達でも特に異常を認めなかった.定期診察の心臓超音波検査では左室拡大傾向が続いていた.7歳頃から胸痛を訴えることがあり,心筋酵素の逸脱や心電図でのST変化は認めなかったが,左室拡大傾向を認めていたため8歳8か月時に心臓カテーテル検査を施行した.左室拡張末期容積は84.5ml(対正常値107%),左室収縮率は57.8%と左室壁運動の低下はなく,冠動脈の異常も認めなかった.心臓MRIでは心室中隔壁中部の遅延造影を認めなかった.以後も左室拡大は改善なく経過し,13歳頃からは右室の拡大傾向も認めていたが,右室収縮能低下はなかった.15歳時に心臓MRI再検したがやはり遅延造影の所見は認めなかった.17歳10か月の心臓超音波検査でRVFAC:23%と低下傾向であったため,18歳3か月時に心筋生検を施行した.病理所見では心筋細胞の肥大と錯綜配列,分岐の増加と線維化を認めDCMと診断した.心機能維持のためエナラプリルマレイン酸の内服加療を開始した.【考察】DCMはその診断基準ゆえにより左室の形態,機能を重点的に評価しがちであるが,今回右室機能の低下に着目し,左室病変の進行前に診断したDCMの症例を経験した.DCMにおける右室評価を含め検討する.
