Presentation Information
[I-P16-09]心横紋筋腫に対してエベロリムス治療を行い異なる転帰を呈した結節性硬化症の2例
○岩崎 秀紀, 水冨 慎一朗, 中川 亮, 久保 達哉, 中村 太地, 井美 暢子, 太田 邦雄 (金沢大学 小児科)
Keywords:
結節性硬化症,心横紋筋腫,エベロリムス
【緒言】結節性硬化症に伴う心横紋筋腫は胎児期から乳児期を好発し多くは自然退縮するが,腫瘍による流入路・流出路狭窄,不整脈の合併も見られる.mTOR阻害剤のエベロリムスは有効であり, 急速に治療効果が得られ重篤な合併症も少ないが,今回経過で心室細動を呈した症例も経験したので報告する.
【症例1】G2P1. 妊娠30週で左室内に複数腫瘤を認めた. 在胎35週, 頭位経膣分娩で出生. 最大径14mmの複数腫瘤を認めた. 僧帽弁・左室流出路付近の腫瘤による狭窄が懸念された. CTで上衣下結節を認め,結節性硬化症と臨床診断.プロスタグランジン製剤を併用の上, 日齢6よりエベロリムス0.08mgを内服した. 低めの血中濃度(3.8-5.7)で推移し,腫瘍は著明に退縮. 計28日間の治療で7mmの小結節に縮小した. 明らかな合併症は認めず経過した. 【症例2】G1P0.妊娠27週に左室を占拠する腫瘤を認めた.在胎38週に予定帝王切開で出生.最大径35mmの腫瘍が左室内を占拠し, 左室流出路・流入路狭窄により,体循環を維持するには不十分と判断した. 日齢0に心房中隔裂開術(BAS)を施行の上,プロスタグランジン製剤を併用した.CTで上衣下結節を認め,結節性硬化症と臨床診断.日齢1よりエベロリムス内服を開始した.至適血中濃度(10.8-18.1)で推移し,腫瘍は生後2週で腫瘍容積1/2程度まで著明に縮小,血行動態は改善した.しかしながら,日齢20に誘引なく心室細動を呈し,蘇生・除細動を試みるも反応せず,永眠した.エピソード前に有意な不整脈を認めず, BAS時に一時的に心房頻拍を認めるのみだった. 有意なQT延長も認めていなかった.
【結論】結節性硬化症に伴う心横紋筋腫に対するエベロリムスは非常に有効である. 難治性不整脈を呈する症例に対しても有効性の報告が散見される.本症例の不整脈とエベロリムスとの関連は不明であるが,腫瘍縮小が得られている奏功例であっても慎重な血行動態・不整脈モニタリングを要する.
【症例1】G2P1. 妊娠30週で左室内に複数腫瘤を認めた. 在胎35週, 頭位経膣分娩で出生. 最大径14mmの複数腫瘤を認めた. 僧帽弁・左室流出路付近の腫瘤による狭窄が懸念された. CTで上衣下結節を認め,結節性硬化症と臨床診断.プロスタグランジン製剤を併用の上, 日齢6よりエベロリムス0.08mgを内服した. 低めの血中濃度(3.8-5.7)で推移し,腫瘍は著明に退縮. 計28日間の治療で7mmの小結節に縮小した. 明らかな合併症は認めず経過した. 【症例2】G1P0.妊娠27週に左室を占拠する腫瘤を認めた.在胎38週に予定帝王切開で出生.最大径35mmの腫瘍が左室内を占拠し, 左室流出路・流入路狭窄により,体循環を維持するには不十分と判断した. 日齢0に心房中隔裂開術(BAS)を施行の上,プロスタグランジン製剤を併用した.CTで上衣下結節を認め,結節性硬化症と臨床診断.日齢1よりエベロリムス内服を開始した.至適血中濃度(10.8-18.1)で推移し,腫瘍は生後2週で腫瘍容積1/2程度まで著明に縮小,血行動態は改善した.しかしながら,日齢20に誘引なく心室細動を呈し,蘇生・除細動を試みるも反応せず,永眠した.エピソード前に有意な不整脈を認めず, BAS時に一時的に心房頻拍を認めるのみだった. 有意なQT延長も認めていなかった.
【結論】結節性硬化症に伴う心横紋筋腫に対するエベロリムスは非常に有効である. 難治性不整脈を呈する症例に対しても有効性の報告が散見される.本症例の不整脈とエベロリムスとの関連は不明であるが,腫瘍縮小が得られている奏功例であっても慎重な血行動態・不整脈モニタリングを要する.

