Presentation Information
[I-P17-04]肺血管抵抗高値であっても肺動脈絞扼術が有効であった心室中隔欠損症合併肺動脈性肺高血圧症の2例
○小泉 奈央1, 加藤 昭生1, 若宮 卓也1, 小野 晋1, 柳 貞光1, 上田 秀明1, 林 拓也2, 橘 剛3, 池川 健1 (1.神奈川県立こども医療センター 循環器内科, 2.神奈川県立こども医療センター 救急・集中治療科, 3.神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科)
Keywords:
肺高血圧,心室中隔欠損症,血管反応性
【背景】心室中隔欠損症(VSD)を合併する肺動脈性肺高血圧症(PAH)では、肺血管抵抗(pulmonary vascular resistance:PVR)高値を理由に肺動脈絞扼術(pulmonary artery banding:PAB)の適応判断に苦慮することが多い。一方、肺血管反応性を有する症例では、PVRが高値であっても、PAB施行後に十分な肺高血圧治療を行うことで良好な転帰が得られる可能性がある。本報告では、そのような治療戦略が有効であった2症例を報告する。【症例】症例1は在胎30週4日、出生体重858gの女児。出生後よりPAHが遷延し、生後3か月時の心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧(mPAP)50mmHg、PVR 8.82 Wood unit・m2と高値を認めた。肺血管拡張薬導入後、mPAP 25mmHg、PVR 2.32 Wood unit・m2まで改善したが、肺高血圧クリーゼを反復し、治療強化に伴い高肺血流性心不全が顕在化した酸素負荷試験で肺血管反応性を認めたため、肺高血圧治療を前進させる目的でPABを施行した。術後、肺高血圧クリーゼは消失し、循環動態は安定した。症例2は5歳男児。初回心臓カテーテル検査でmPAP 90mmHg、PVR 9.95 Wood unit・m2と高度PAHを認めたが、酸素負荷試験により肺血管反応性を示した。一期的根治手術は高リスクと判断し、肺血管拡張薬導入後にPABを施行した。術後も肺高血圧治療を継続し、6歳時の心臓カテーテル検査ではmPAP 16mmHg、PVR 1.27 Wood unit・m2と著明な改善を認め、根治手術を施行した。【結論】肺血管反応性を有するVSD合併PAHにおいて、PABは術後に十分な肺高血圧治療を行うことで安全に試行可能であり、根治手術へとつなげる有効な治療戦略となりうる。
