Presentation Information
[I-P18-07]喀血を契機に診断されたHughes-Stovin 症候群の一例
○宮地 秀途, 宗内 淳, 渡邉 まみ江, 杉谷 雄一郎, 清水 大輔, 豊村 大亮, 五十嵐 大仁, 小河 尚子, 田代 直子 (JCHO九州病院 小児科)
Keywords:
肺動脈瘤,喀血,肺動脈内壁在血栓および右室内血栓
<はじめに>Hughes-Stovin症候群は深部静脈血栓症と肺動脈瘤を特徴とするベーチェット病の亜型とされる稀な疾患である。<症例>14歳男児。喀血を主訴に救急搬送。前医での胸部造影CT検査では両肺動脈と右心室内に血栓があり、緊急治療が必要と判断され当院紹介となった。1年程度間欠的に続く弛張熱と口腔内アフタ、2週間前より繰り返している喀血、CRP上昇、抗核抗体陽性、ぶどう膜炎の欠如、肺動脈瘤と肺動脈内壁在血栓および右室内血栓等の所見からHughes-Stovin症候群と診断した。末梢血管エコーでは深部静脈血栓はみられなかった。心エコーでは右室流出路に径15mm、右室流入部下壁に径22mm、右室自由壁に径8mmの多発する血栓と思われる腫瘤性病変を認めた。胸骨左縁上部で駆出性収縮期雑音を聴取したが腫瘤性病変による血流障害はなかった。肺動脈の造影CT検査では左肺門部下葉枝に径17mmの紡錘状動脈瘤とそれに一致した壁在血栓がみられ、右肺動脈下葉枝は一部血栓で閉塞していた。体動で息切れが生じていたが、心室機能に問題ないことから肺換気血流不均衡による症状と考え、治療開始を急いだ。CPA(650mg/m2)と経口PSL(1mg/kg)を開始し、抗血栓治療は喀血リスクが高まるため行わなかった。治療開始後まもなく解熱し、症状も軽快した。しかし治療後1週間で再度喀血を認め、アドナ内服による対症治療が奏功した。治療開始後2か月時の造影MRIでは肺動脈瘤は不変であったが瘤内血栓は消失していた、右室内血栓は一部縮小消失したが、残存しており器質化していると考えた。6分間歩行は360mであり右心不全が残存していると考えた。PSLを0.5mg/kgへ減量し自宅退院した。経過中抗血栓治療は行わなかった。<考察>本症候群は非常に希な疾患であるが若年男性に好発するため小児科医も知っておくべき疾患の一つである。
