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[I-PD2-2]VAD装着中の心不全にまつわる悩み

平田 康隆, 柴田 深雪, 友保 貴博 (国立成育医療研究センター 心臓血管外科)
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Keywords:

VAD,EXCOR,心不全

小児重症心不全に対する機械的循環補助は、心臓移植待機期間の生命予後を大きく改善してきた。とくに体格の小さい小児では、現在もBerlin Heart EXCORに代表される体外式拍動流VADが重要な選択肢であり、新生児から思春期まで幅広い年齢層に使用可能で、左心補助のみならず両心補助にも対応し得る。一方で、小児VAD管理は成人用植込み型連続流デバイスとは異なり、体格、原疾患、先天性心疾患の解剖学的多様性、長期入院管理、血栓・出血・感染などの合併症に加え、右心不全と心室性不整脈への対応が大きな課題となる。近年も、体格の小さい患児では選択可能なデバイスが限られ、体外式VADへの依存が続いていることが指摘されている。
EXCOR装着中の右心不全は、単なる中心静脈圧上昇にとどまらず、肝機能障害、腎機能低下、浮腫、胸腹水、呼吸状態悪化を介して全身状態を悪化させる。また右室拍出が不十分となれば肺循環を介した左心系への還流が低下し、結果としてLVAD流量が確保できず、十分な循環補助が成立しない。このような病態では、強心薬、肺血管拡張薬、容量管理、換気条件の最適化などを行うが、改善が乏しい場合にはRVAD追加、すなわちBVAD化を検討せざるを得ない。しかし、その判断時期は容易ではない。早期導入は侵襲と合併症を増やし、遅延すれば多臓器障害を固定化させる可能性がある。
本発表では、EXCOR装着中に遭遇する右心不全および心室性不整脈の管理上の悩みを中心に、肝機能障害、VAD流量不良、静脈うっ血、薬物治療への反応性などをどのように評価し、RVAD追加の適応をどの時点で考えるべきかを検討する。小児VAD治療は移植までの単なる橋渡しではなく、待機期間中に臓器機能と全身状態をいかに保つかが成否を左右する。小児心不全チームとして、内科・外科・集中治療・移植医療が共有すべき判断基準と課題について議論したい。