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[II-CSY4-1]循環器内科医から見た移行後の問題点~総論~

石津 智子, 川松 直人, 町野 智子 (筑波大学)
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Keywords:

健康リテラシー,成人先天性心疾患,移行医療

本講演では,循環器内科医の立場から,先天性心疾患患者の移行医療における問題点と今後の方向性について概説する。
循環器内科の診療現場で,現在最も多く急性期医療に携わっているのは1990年以前に出生した患者群である。特に65歳を超える患者では,加齢に伴う高血圧,糖尿病,冠動脈疾患,腎機能障害などが重なり,心不全診療の重要性が急速に増している。この年齢層では,定期受診が中断されている症例も少なくない。そのため,初診対応を担う医師への疾病啓発が重要である。すなわち,かかりつけ医,産業医,救急医,産科医など,成人診療に関わる多職種へのアプローチが求められる。また,地域における循環器内科診療連携を通じて,成人先天性心疾患専門医への紹介ハードルを下げ,受診利便性を向上させることも重要と思われる。
一方,1990年以降に出生した患者の多くは,移行医療の過渡期に位置している。小児期の診療施設,本人の発達段階,家族の関わりなど,多様な因子が患者の自己健康管理能力に関連していると推察される。自らの疾患名,手術歴,注意すべき合併症を十分に理解し,自ら医療行動を選択できる状態が理想である。しかし,後天性循環器疾患においても患者の疾病理解を支援する取り組みには多くの課題があり,先天性心疾患領域ではさらに長期的視点が必要となる。先天性心疾患患者の成人診療移行後の医療は,その後約50年にわたり伴走する医療である。このため循環器診療側には,患者と主治医の1対1の関係だけではなく,一人ひとりの患者に対して医療者チームが共通の診療方針と意思決定を共有しながら関わる体制の構築が求められる。
今後も,小児循環器医と成人循環器医が互いの課題を共有し,移行期から生涯にわたる診療体制を構築していくことが重要である。