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[II-JSCDJS-P2-1]ラット薬剤性心筋障害モデルに対する肺動脈絞扼術の左心機能への効果

廣瀬 穣1, 佐々木 孝2, 井上 結賀1, 沼田 大和4, 村田 智洋2, 網谷 亮輔2, 宮城 泰雄2, 功刀 しのぶ3, 石井 庸介2 (1.日本医科大学 医学部 医学科, 2.日本医科大学 心臓血管外科学, 3.日本医科大学 解析人体病理学, 4.日本医科大学付属病院)
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Keywords:

薬剤性心筋障害モデル,アドリアマイシン,肺動脈絞扼術

【背景】小児拡張型心筋症に対し肺動脈絞扼術(PAB)を行い、心機能の改善が報告されたがその機序は不明である。【目的】本研究は正常心、薬剤性心筋障害の不全心へのPABの左室機能への効果を検討した。【方法】4週齢ラット36匹をAdriamycin(ADM)群と生理食塩水(Saline)群に分け2週間かけて投与した。6週齢時に各群をPAB施行群(12匹)・非施行群(6匹)で分け、ADM群をA・B群、Saline群をC・D群とした。術後4週に心臓超音波、左室カテーテルで心機能を評価した。【結果】A群は3例、B群は5例、C群は9例、D群は5例生存した。1. A群、B群は左室カテーテルから、心拍数(HR)(/min) 324±31、325±53 (p=0.4)、心係数(CI)(ml/min/kg) 88±20、78±11(p<0.01)、左室拡張末期容積係数(EDVI)(mL/m2) 3.3±0.6、4.9±0.5 (p<0.01)、実行動脈エラスタンス(Ea) (mmHg/μL) 1.4±0.6、2.3±0.6 (p<0.01)、左室拡張末期容積関係(EDPVR)(mmHg/μL) 0.02±0.007、0.02±0.01(p=0.3)、左室収縮末期圧容積関係(ESPVR)(mmHg/μL) 1.5±0.5、1.0±0.5 (p=0.03)であった。2. C群、D群の心機能は、HR(/min) 321±30、302±72 (p=0.02)、CI(ml/min/kg) 44±14、95±18(p<0.01)、EDVI(mL/m2) 2.1±0.6、4.6±1.1 (p<0.01)、Ea (mmHg/μL) 2.8±1.1、1.3±0.2 (p<0.01)、EDPVR(mmHg/μL) 0.06±0.1、0.02±0.01(p=0.2)、ESPVR(mmHg/μL) 3±0.5、1±0.5 (p=0.01)であった。【考察】ADM不全心と正常心へのPABでは共通して前負荷は軽減、収縮能は改善し、拡張能は不変であった。一方、心拍出量はADM不全心で上昇し正常心で低下した。これは前負荷軽減の影響や後負荷によるものと考えた。後負荷に関して、正常心PABでは上昇したがADM不全心へのPABでは低下したため、神経体液性因子など血管拡張因子が関与した可能性がある。【結論】不全心へのPABでは正常心PABではみられた心拍出量の低下がなく、左室収縮能を上昇させる。